たまった水で天井が落下!?専門チームが漏水被害から入居者様とオーナー様を守る
2022/09/29
先週、巨大台風14号が全国各地で猛威を振るいました。
被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
各地で大きな被害をもたらしましたが、
当社管理物件では幸いなことに数件の雨漏りが発生する程度にとどまりました。
ただ、こうした台風に加えて、これから寒くなってくると
水道管の温度低下による水漏れ等、さまざまな要因で発生する漏水にも
注意しなければなりません。
漏水事故は長期化する傾向にあり、
対応を誤ると入居者様からの家賃減額請求や賠償を伴う退去など
オーナー様が思わぬ損害を被ることもあるのです。
当社では年間約500件に上る漏水被害に迅速に対応するため、
今年から専門の「漏水チーム」を結成。
漏水が発生した際に、オーナー様の資産を守り、
入居者様が元の生活に早く戻れるよう最善を尽くしています。
今回のコラムでは、先日発生した天井が落下するほどの漏水案件をご紹介しながら、
専属担当がいるからこそできる当社賃貸管理の強みをお伝えします。
「帰ったら室内が濡れていたんですけど...」
梅雨が明け、夏本番を迎えた7月9日。
入居者のAさんから連絡がありました。
詳しく話を聞くと、5日間ほど部屋を空けている間に
天井から水が垂れてきて、床が水浸しの状態になっていたといいます。
被害箇所が配水管の場合、常に水が通っているため、
すみやかに対応しなければ被害は拡大する一方です。
一方で、漏水対応を難しくする要因のひとつが
その漏水原因がどこにあるか、分かりづらい点です。
まずは早急にマンション全体を管理する建物管理会社に連絡して、
調査を依頼しました。
調査自体はすぐに行ってもらい、上階の部屋の給湯管の一部に破損がみられるとのこと。
そして、建物管理会社側で給湯管全体を引き直す工事を
実施してもらうこととなりました。
これで直接的な被害は収まるはずでした。
しかし数日後、Aさんから再び電話がありました。
なんとまだ天井から水がしたたり落ちてくるというのです。
「こんな状態で家賃を全額払いたくないです!」
家賃減額となると、オーナー様にも負担を強いることになってしまいます。
現状をきちんと説明し、もう少し待っていただくよう説得しながら、
建物管理会社の担当者にも状況を確認します。
すると、まだ工事の日程が決まっていないというのです。
一刻も早く工事に入っていただきたいですが、
配水管は建物管理会社の管轄のため、当社が直接工事を手配することはできません。
いかに早く建物管理会社に動いてもらうか、
また入居者様からのクレームを防げるか。
こうした交渉事も賃貸管理会社の腕の見せ所の一つです。
対応を間違えると、入居者様から家賃の減額請求がされてしまったり、
最悪の場合退去となる可能性もあります。
そうなると、家賃収入が途絶えてしまうばかりか、
引っ越しにかかる費用のほか各種賠償などにより、
オーナー様に金銭的負担が発生してしまいます。
そのため、建物管理会社の担当者に対し、一日でも早く工事を行うよう粘り強く交渉。
その間、Aさんにも逐一きちんと状況をご説明して、
クレームにならないように誠実に対応していました。
そうして何とか工事の日程が決まり、いよいよ数日後に工事を行うタイミングで
Aさんから連絡がありました。
「天井が落ちてきたんですけど、どうなっているんですか!?」
声色からは焦りが伝わってきます。
連絡を受けすぐに現場へ急行。状況を確認すると、洗面所部分の天井が落ち、
建物の躯体がむき出しの状態になっていました。
清掃など応急対応をしましたが、これでは生活ができそうにありません。
復旧が終わるまでの間、Aさんにはホテルへ一時住まいして頂くことになりました。
ただ、今回の件でAさんもはかなり精神的に参っている様子です。
一日でも早くAさんに元の生活へと戻っていただくことを最優先に
動いていくことを約束し、
修繕が完了するまで、折に触れて直接面談して心のケアも行います。
数日後、建物管理会社と漏水元の部屋の賃貸管理会社側で給湯管の工事が終了。
ここからが賃貸管理会社である我々の本領発揮です。
まずは、天井が落ちた部屋を修繕し、元通りの状態にしなければなりません。
そのためには、復旧費用の見積もりを行い、
原因元となった上階の部屋の賃貸管理会社に書類を送付。
原因元の部屋の所有者が加入している保険会社が工事内容を鑑定し、
問題がなければ工事を発注することとなります。
ただ、これらを通常の手続きで行うと、
工事完了まで2か月近くかかってしまうこともあるのです。
そうなると、ただでさえ迷惑を被っているAさんに
輪をかけて不便を強いることになります。
当社では提携の協力会社のネットワークがあるため
通常は部材の仕入れなどで1~2週間かかりますが、
すぐに工事を手配することができます。
ただ一つネックとなるのは保険会社の鑑定業務に時間がかかる点です。
当社には損害保険チームがあるため、担当者と相談しながら最善策を探ります。
今回は、被害元となる当社のオーナー様が加入している火災保険に
修繕費を補填するための給付金を申請。
賃貸管理会社としての長年の経験から給付金が修繕費を上回ることはないと判断し、
給付を見越して工事に着手することにしました。
また、Aさんの家財などは入居時に加入している火災保険での対応となりました。
提携の協力会社のネットワークに加え、
漏水チームと損害保険チームがその経験とノウハウを駆使した結果、
Aさんがホテルに移ってから16日後には工事が完了し、
元の生活を取り戻すことができたのです。
「管理会社の方が直接動いてくれて少し安心できました。ありがとうございます」。
Aさんから感謝の言葉もいただくことができました。
こうした迅速かつ的確な対応ができるのも、
漏水チームを作り、組織を再編したことが大きく寄与しています。
メンバーは漏水案件に専念することで、
ノウハウの蓄積のほか、効率よく事故対応を行うことができるようになりました。
10月からは漏水チームに新たなメンバーが加わり、5名体制となる予定です。
これから来る本格的な漏水シーズン。
メンバー一丸となって、これからもオーナー様の資産と入居者様の生活を
守っていきたいと思います。
日本財託管理サービス 管理部管理課
大村 龍二(おおむらりゅうじ)
◆ スタッフプロフィール ◆
山形県山形市出身の30歳。
管理部管理課漏水チームで、漏水トラブルを対応。快適な住環境の維持のため、入居者様のお困り事の解決を行っています。
半年後の入籍を控え、婚約者とペット2匹に囲まれて幸せな生活を送っています。