新型コロナ「第7波」の影響は?夏の閑散期の最新賃貸市況をデータから解説!
2022/10/13
今夏、新型コロナウイルスの「第7波」が到来し、
急速に感染者数が拡大していきました。
この時期は、1年のなかでも人の移動の少ない閑散期のまっただ中です。
実際、空室がどのくらいの日数で埋まったのか、
気になる方も多いかと思います。
本日、7~9月期の当社管理物件における
賃貸成約状況をまとめたワンルームマンション賃貸実績レポートの
最新データを公表しました。
そこで今回のコラムでは、この最新レポートや人口動態の最新データを踏まえて、
閑散期の賃貸動向と1日でも早い空室解消に向けた当社の取り組みをご紹介します。
当社では四半期ごとに、当社の管理するワンルームマンションの
空室期間、成約賃料をエリア別、物件の築年数別にまとめて公表しております。
7月~9月のワンルームマンションの賃貸契約の総数は1,198件。
東京23区における「解約日から賃料発生までの平均日数」は41.4日で、
前年同期比1.8日の短縮でした。
また平均成約賃料も前年から885円のプラスとなる78,849円となりました。
昨年よりも空室日数が短縮した背景のひとつに、
海外からの入国者数および他道府県からの転入者数の増加があります。
9月7日から帰国・入国者は1日上限5万人と緩和され、
一昨日の10月11日からはついに上限が撤廃されました。
これまで本国に足止めされていた留学生をはじめとする
外国籍の入居者からの引き合いが強いエリアを中心に申込数が伸長しました。
また、国内からの転入者数も徐々に戻りつつあります。
総務省の住民基本台帳人口移動報告によれば、
東京都への転入者数は昨年比で、7月は7.4%増、8月は17.6%増です。
ポイントは、その転入数の増加をけん引しているのは、
『15~29歳の賃貸物件の入居者層』だということです。
この年代に限れば、7月は3,813人、8月は4,256人、
転入者数が転出者数を上回る、転入超過でした。
感染が減少していた6月も4,202人の転入超過であったことを踏まえると、
少なくとも「第7波」で人口流入がストップするような動きはなかったとみられます。
とはいえ、千代田区・中央区・港区の都心3区や大田区、品川区などでは、
賃貸需要の回復が鈍く、他とのエリアに比べて、
相対的に空室期間が長期化する傾向がありました。
コロナ禍で大きな打撃を受けた業界の雇用や、
テレワークが可能なことにより、大企業・IT系企業勤務の会社員の
職住近接ニーズが戻りきっていないことが要因と考えられます。
また大田区では、依然として空港関連業界の雇用情勢が厳しく、
コロナ禍前の水準には戻っていない状況です。
そのほかにも、競合物件が多いエリアでは、賃貸仲介の現場から、
礼金や敷金など初期費用の調整をお願いされるケースも増えています。
このような厳しい状況が続く閑散期の長期空室を解消すべく、
当社では様々な取り組みを行ってきました。
そのひとつが、大手人材広告企業が運営する
マンスリーマンション事業への物件の斡旋です。
コロナ禍で一時期急減した都心のマンスリー物件に対する
法人需要は回復しつつあります。
この需要を取り込みたい運営企業と新たに提携し、
月に数十戸単位で契約を獲得しています。
マンスリー向けの契約は長期間の借り上げを見込め、
安定した賃貸経営にとっては大きなメリットにつながります。
当社管理物件における他のマンスリー向け契約の実績では、
平均の入居期間が7~8年と、平均3年程度である
個人の賃貸契約に比べて約2倍~3倍の期間となっています。
その間、退去時の内装工事費用は発生しませんし、
2年に一度の更新料も受け取ることができます。
ただし、運営企業が取り扱いエリアを限定していること、
また建物管理規約によってマンスリー利用を不可とするマンションも多いことから、
全ての管理物件を斡旋できるわけではありません。
条件に該当する物件は、今後も積極的に借り上げを働きかけていく予定です。
また、競合する物件が多い閑散期だからこそ、
入居希望者に当社管理物件をご紹介していただく
賃貸仲介会社の担当者との関係性がポイントになります。
お中元の時期に合わせ、主要な賃貸仲介会社約300社に、
店舗スタッフ人数分のお菓子を持参して1件1件訪問し、
いざという時に話しやすい関係性づくりに努めました。
さらに、担当者が利用する賃貸仲介会社専用サイトの機能改善で、
使い勝手の向上にも取り組んでいます。
専用サイトでは、物件確認や内見予約、
申し込みや審査状況の確認といった機能を24時間365日利用できます。
さらに10月からは新たに『チャット機能』を導入しました。
気軽に、そして迅速にやり取りができるチャットを活用してもらうことで、
細かい確認事項について、互いの電話折り返し待ちが無くなります。
時間のロスが減ることで、結果的に契約までの期間の短縮につながるのです。
そのほかにも、他の物件との差別化を実現するために、
原状回復費用にプラス10万円程で他の部屋と差別化できる
定額リノベーションサービス「ぷちリノ」を8月よりリリース。
この閑散期に多くのオーナー様からご利用いただき、効果を上げています。
これからも1円でも多く、1日でも早く家賃収入をお届けするために
新たな空室解消施策の開発に努めてまいります。
日本財託管理サービス 賃貸営業部 小竹 祐(こたけゆう)
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都府中市出身の38歳。
賃貸営業部に所属し、
賃貸コンシェルジュとして入居者募集を行っています。
最近は子どもと一緒にメダカを育てています。
お世話の手間がかからず、殖えるので、
5匹いたメダカがいま40匹にまで増えました。