お湯が出なくて家賃が減額!?入居者様とオーナー様の利益を守る給湯器トラブルの予防策
2022/12/01
はやいもので今日から12月。
一日の終わりに暖かい湯船に浸かりたい時期ですが、
冬は給湯器の故障が多発する季節でもあります。
給湯器が故障すると、入居者様が困ることはもちろんですが、
所有者であるオーナー様にも大きな影響があります。
室内設備の不具合が発生した際に、
速やかに適切な対応を取らなかった場合、
家賃が減額されてしまう恐れもあるからです。
そこで今回のコラムでは、給湯器の故障を事例に、
室内設備の修理・交換に関して入居者様の生活とオーナー様の利益を守る
当社の取り組みをご紹介します。
いま収益物件の所有者は、室内設備の故障対応のスピードを
よりシビアに求められる状況になっています。
きっかけは2020年4月の民法改正です。
賃貸物件の設備が入居者の過失によらない理由で故障した際、
改正前は『賃料の減額が請求できる』とされていました。
これが改正後は
『賃料は、その使用及び収益をすることが
できなくなった部分の割合に応じて減額される』ことになり、
『当然に減額』となることが明記されたのです。
賃貸借契約で特段の取り決めをしていなければ、
民法に沿った対応が求められます。
業界団体が作成したガイドラインでは、
設備に応じた減額の割合と免責日数が提示されています。
たとえば、給湯器の故障などで「お風呂が使えない」場合、
減額割合は10%、免責日数は3日です。
免責日数とは、代替機器の調達や工事の手配にかかるまでの猶予日数のことです。
なお、当社の標準的な賃貸借契約書では、賃料の減額については、
あくまでも『入居者の申し出に基づき、協議の上で決定する』と定めており、
自動的にオーナー様の家賃が減ることはありません。
とはいえ、交換対応が遅くなってしまうと、
減額の申し出をされる可能性は、以前より高まっていることは事実です。
これらも念頭におきながら、
当社で2021年10月にスタートした取り組みが「設備保証サービス」です。
年間18,480円(税込)の保証料で、
エアコン、給湯器、コンロ、換気扇といった対象設備の修理・交換に対して、
上限10万円(税込)まで何度でも保証するサービスです。
突発的な設備故障による費用の発生を抑え、
資金計画を立てやすくなるメリットがありますし、
交換工事の迅速化にもつながります。
一日でも早く実施したい給湯器の交換工事であっても、
費用の調整やオーナー様のご承諾を頂かずに、話を進めることはできません。
オーナー様とご連絡がなかなかつかず、工事が完了するまで、
1週間程度を要することも少なくありませんでした。
設備保証サービスの対象であれば、
当社の判断で速やかに、給湯器の在庫確認、現地を訪問する協力会社、
そして立ち合い工事の日程を入居者様と調整します。
実際には、入居者様が在宅している土日に調整して
工事することが多いですが、最速のケースでは、
午前に受付した案件を当日中に交換完了することもできるのです。
結果的に入居者様の生活、
そしてオーナー様の収益への影響を最小限にとどめることができます。
ここ1年間で保証対象となった130件の工事のうち、
給湯器は20件ほどでしたが、
完工までの期間短縮化につながっていると感じています。
ただ、給湯器については別の不安材料もあります。
コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などによる
半導体不足の影響を受けた納品の遅れです。
当社では複数の協力会社を通じて、
直近の工事に要する台数を確保していますが、
機種によっては、なお予断を許さない状況が続いています。
設備保証サービスによる対応は入居者様からの
『お湯が出ません』という連絡を受けてからの手配開始になるため、
不可避な理由で、交換修理に時間を要する可能性があります。
だからこそ、もう一つの予防的な対策として、
突発的な故障が起こる前に、計画的に先回りして、
まとめて交換するという取り組みも有効です。
実際、1棟アパートを運営するオーナー様にご提案し、
全部屋の給湯器を一括交換している事例があります。
この物件では、巡回点検の際、ほとんどのお部屋で、
竣工当時からの給湯器が使われていることが分かりました。
物件の築年数は20年ほどで、
給湯器の耐用年数が10年から15年であることを考えると、
いつ故障が同時発生してもおかしくない状況だったのです。
そこで予防的措置として、全21戸の給湯器交換工事を
まとめて行うことをオーナー様にご提案しました。
一斉設置により人件費を圧縮できるため、
通常より総額のコストを抑えられます。
また、需要がひっ迫しない秋口の早い段階で、
協力会社の在庫情報を入手して、
在庫を確保しておくことができたのも一括提案ができた一因です。
オーナー様からご承諾をいただいた後は、
全入居者様へのご案内と日程調整を、1件ずつ地道に行う必要があります。
室内設備の更新工事とはいえ、
無断でお部屋に立ち入って設備を交換することはできません。
入居者様のご都合を最大限に優先しながら、
工事日程を調整して施工をしています。
ほとんどの部屋で完工しましたが、
入居者様と連絡がつかない部屋がまだ幾つか残っているため、
引き続きコンタクトを取り、交換工事を進めています。
給湯器をはじめとする生活に欠かせない設備の故障対応を誤れば、
家賃の減額リスクが生じるだけでなく、
入居者様の不満を募らせることになり、退去にもつながりかねません。
一方で、入居者様が最も困っている時に、迅速に交換工事が実施できたり、
故障が発生する前に最新機器に交換できれば、
入居者様から感謝もされ、長く住み続けてくれることも期待できます。
入居者様が快適な生活を送り、
結果的に1円でも多くオーナー様に家賃をお届けできるよう、
サービスの拡充と予防的提案に努めてまいりますので、
ぜひお気軽にお問い合わせください。
日本財託管理サービス
ソリューション事業部オーナーコンサルティング課
鈴木 大貴(すずきひろたか)
◆ スタッフプロフィール ◆
岩手県奥州市江刺区出身の30歳。
オーナーコンサルティング課にて、一棟物件を所有されているオーナー様に対して、
付加価値のご提案やお困りごとの対応をしています。
設備保証サービスは、当社から購入した物件でなくとも、
当社に管理を預けて頂いている物件であれば加入することが可能です。
さらに、対象機器を拡充した新保証プランも現在検討中です。(※2022年12月現在)
野球とお酒が好きなので、行けるタイミングがあれば球場へ足を運んでいます。
ビール片手に野球観戦はリフレッシュできて最高です!