12月も半ばに差し掛かり、本格的な冬の到来を感じるようになりました。

都内でも最高気温が10度を下回る日もあり、
暖房をつける機会も増えてきたのではないでしょうか。

このような時、特に高齢者は急激な寒暖差に身体がついていけず、
重大な健康障害につながる心配もあり、
万が一の時には素早い対応が明暗を分けます。

ワンルームマンションの入所者のほとんどは若者世代ですが、
ご高齢の入居者がいないわけではありません。

当社でも高齢の入居者様はいらっしゃいますし、
そのなかでも身寄りのない方には、毎月1度、安否確認も兼ねてご連絡を差し上げています。

また月に１度のご連絡だけでなく、自治体が提供する『見守りサービス』を活用しながら、
これまで高齢の入居者様を見守ってきました。

そしてこの度、全国展開する介護事業者と提携し、
新たな見守りサービスの導入を開始いたしました。

今回のコラムでは、超高齢化社会における見守り活動の最前線について、
実際に導入された入居者様の事例をもとにご紹介したいと思います。

現在、当社の管理物件のなかで75歳以上の高齢の入居者様は、
90名を超えています。

そのうちの1割の方は、一人暮らしにもかかわらず近隣には頼れる親族がおりません。

このような高齢入居者様を中心に、当社では見守り活動を実施し、
その活動の様子は、過去のコラムでも紹介してきました。

■記録的猛暑日が続くいまだからこそ力を発揮する高齢入居者の『見守り活動』

さらに、これまでの見守り活動をさらに強化するため、全国展開する介護事業者と提携。
入居者様が導入しやすい安価で即効性の高い見守りサービスを導入しました。

主なサービスは、『見守りソケット』と『見守りセンサー』です。

見守りソケットは、トイレや浴室、玄関の電球のソケットの代わりに設置すると、
電気の使用状況が把握できるもので、週に1度使用状況のレポートを受け取ることができます。

レポートだけでなく、24時間連続で電灯の使用が確認できない時や
何日にもわたって利用が継続している場合には
緊急時のアラートが発信されるようになっています。

アラートは直接、当社へ緊急連絡が入る仕組みです。
こうすることで万が一の事態にも速やかに適切な対応がとれるようになります。

また『見守りセンサー』はより多角的に高齢者を見守ることができます。

人の動きを観測する『人感センサー』で、
任意で設定された時間に、人の動きを感知することができないときにはアラートが発信されます。

ほかにも、夏場に必要となる『室温管理』の機能もあります。

室温が30度を超えた場合には、同じくアラートが発信され、
即時に安否確認を実施することが可能です。

見守りセンサーは月額3000円程度で導入ができ、
見守りソケットは、より安価で月額990円で使用が可能となります。

実際に今年9月、この『見守りセンサー』の導入した
ある高齢入居者様のお部屋から緊急アラートが発信されました。

もうすぐ90歳になる女性Aさんは周囲に頼れる親族がおらず、
Aさん、ケアマネージャー、そして当社の3者で面談を行い
ご納得をいただいたうえで見守りセンサーを導入していただきました。

そんなAさんの見守りセンサーから
設定した人感センサーに反応がなくなったとの緊急連絡が入ったのです。

すぐに提携事業者の担当となるケアマネージャーに確認をとりました。
すると、どうやらAさんがコロナに罹患し医療施設に入っているとのことだったのです。

その後、症状が回復しご自宅に戻られた際に訪問すると、
変わりなく会話をすることができました。

このように人感センサーが異常を検知すれば、
すぐにケアマネージャーと連携して状況を確認し対応することが可能です。

今回はコロナの療養ということでしたが、
万が一、室内で倒れていた際にも人感センサーが働き、
早急な対応で入居者様の安全を守ることができます。

仮にこのような見守りサービスがなく、万が一のことが起こってしまった場合には、
すぐに気が付くことは難しく、適切な対応を行うことができません。

万が一、そのまま時間が経ち、いわゆる"孤独死"が起こってしまうと、
原状回復や家賃の下落などオーナー様にも多大な負担が発生します。

今回、導入した見守りサービスは手ごろな価格で入居者様も利用しやすく、
入居者様の安全や生活を守ることもできます。
さらに、それがオーナー様の資産を守ることにもつながる取り組みです。

今後、晩婚化や生涯未婚の割合が一層増えていけば、
ワンルームマンションの入居者も高齢化していくことが考えられます。

入居者様とそのご家族、そしてオーナー様の資産を守るために
これからも効果的な新サービスがあれば積極的に導入を検討していきたいと思います。

日本財託管理サービス　債権管理部債権管理課　吉末　篤司（よしすえあつし）

◆　スタッフプロフィール　◆
東京都足立区出身の52歳。
債権管理課に所属し、滞納家賃の回収だけでなく、高齢の入居者様の見守り活動も積極的に行っています。

約1ヶ月前から生後数ヶ月の犬を飼い始めました。
ようやくリードが届いたので、これからの散歩が楽しみで仕方ないです。