やっぱり、母は強し
2022/12/22
笑顔で写真撮影されるS・Yさん
今年のお盆休みに実家に帰った際、母が『がん』であると聞かされました。
すでに何度か検査や診察を行い、数週間後に手術を控えているということでした。
母はこれまで大きな病気はしたことがなく、
いつもエネルギッシュに動き回っているような人です。
勝手に「お母さんは元気な人」と思い込んでいました。
「え...大丈夫なの?」
話を聞いた直後は言葉が見つからず、口をついて出たのは間の抜けた返事。
大丈夫なはずはないのですが、
「大丈夫。元気になって帰ってくるから!」と明るく答えます。
思い返すと、母はいつもエネルギッシュで、家でも至る所を掃除したり、
よく友人と外出したりしていました。
また、自分よりも家族や他人を大事にする人で、料理をふるまうときには
自分は席に座ることなく、常に出来立ての料理を食卓に運んでいたことを覚えています。
今回の病気の発覚でも母自身、ショックを受け、不安なこともあったはずです。
それでも周りに心配をかけまいとしている姿に「母らしいな」と感じました。
とはいえ母が入院するとなると、実家に残されるのは家事を全くやったことのない父と、
認知症の初期症状がある祖母のみ。
母が言うには、入院期間中は父の妹である叔母に実家の様子を見に来てもらうよう
お願いしているとのことですが、少々不安に感じました。
しかし、その不安は杞憂でした。
母が入院期間中、叔母から「我が家にしては」信じられない報告が続々と入ります。
「お兄ちゃん(父)がお風呂掃除やトイレ掃除しているのを初めて見た」
「おばあちゃんがデイサービスを見に行ってみると言っている」
仕事一筋で、いままで家事なんて一度もしたことがない父。
自分で何でもできるからといってデイサービスには絶対に行かないと明言していた祖母。
これまでの言動とは思えないことが起こっているようです。
父も祖母も、母がいない生活の中で母のありがたさを感じ、
戻ってきた時に負担を減らそうとしているのでしょう。
そんな家族の姿に驚くと同時に、
家族の意識や行動を変えた母の強さを身に染みて感じました。
そんな一幕がありながら、手術は無事終了。
幸い経過も良好で10日ほどで退院をすることができました。
「たまには病気になるのもいいかもね」といって、
入院期間中の家族の変化に笑っていた母の姿が印象的でした。
私は現在、物件購入時の融資や営業のサポートを行う課のリーダーとして
メンバーをまとめながら業務を行っている立場です。
責任ある立場として、時には問題にぶつかってしまうことも少なくありません。
そんなときは持ち前の明るさで病気という不安をはねのけ、
家族の凝り固まった考えを溶かした母を見習って
何か問題があっても前向きに取り組み、周りに頼られるよう
行動の積み重ねで自信をつけていきたいと思います。
日本財託 コンサルティング本部 事務管理課 S・Y
◆ スタッフプロフィール ◆
新潟県新潟市出身。
資産コンサルティング部事務管理課に所属し、ローン付けを行う金融機関の調整や営業のサポートを行っています。
最近は有吉佐和子の小説が好きでその中でも「閉店時間」という昭和の
新宿のデパートで働く女性達の話が時代は違っても共感できるところがたくさんあって面白かったです。