「自由の国」の本当の意味
2023/04/20
留学先の友人と記念撮影をするF・Tさん
私は幼い頃から好奇心が強く「とりあえずやってみる」というスタンスで
これまでの人生を歩んできました。
振り返ると、最も好奇心が爆発した瞬間は高校生のころに挑戦した
アメリカ留学だったように思います。
見慣れたお米は食卓に出ない、お風呂は朝のシャワーのみ。
高校へは車で通学し、受講する授業は自分で決める。
生活の端々で文化の違いを肌で実感し、
全くの別世界に飛び込んできたような感覚を今でも覚えています。
その中で最も驚いたのは、アメリカに住む人々の寛大な心です。
留学生活が始まった当初、私は少しでも早くアメリカに適応しようと考え、
できるだけホストファミリーと一緒にいるようにしていました。
アメリカに住む家族に溶け込むことで、
その国の「常識」を知ることができると考えたからです。
その甲斐もあり、異国での生活に慣れてきたある日。
通っていた学校の友人が主催するハウスパーティーに参加したときのことです。
会場には参加者が持ち寄った豪華な料理が並び、まさに海外ドラマで見たような
賑やかな空間が広がっていました。
どうにかして溶け込みたいと思うものの、文化の違いにどうしても委縮してしまいます。
そんな中、会場の隅で一人、料理に全く手を付けていない同級生がいました。
(自分と同じで、慣れない環境で食べられなくなってしまっているのかもしれない。
まずは彼に話かけて自分を知ってもらおう!)
同じ境遇の「仲間」を見つけて嬉しくなった私は、ありったけの食べ物をプレートに乗せて彼の前に行き、
勇気を振り絞って「Let's eat !」と声をかけました。
ただ、予想に反して反応はそっけなく、ボソボソと何かを言っています。
まだまだ英語が未熟で聞き取れなかった私は、単に緊張しているだけだと思い、
目の前で大口を開けて肉にかぶりつき、頬張りながら笑顔で「Let's eat !!」と繰り返し話し掛けました。
自らが楽しそうに食べることで、相手の緊張をほぐすことができると考えたのです。
しかし起こったのは、自分の考えとはまるで逆の反応でした。
彼はキッと私をにらみ、大声で何かをまくしたて、その場から離れていってしまったのです。
一人残された私はただ立ち尽くすのみでした。
(何であそこまで怒ることがあったんだろう?)
どうしても気になり後日、学校で友人に聞いてみたところ、
どうやら宗教的な理由から食べ物が食べられない日だったようでした。
彼もみんなと一緒に食事を楽しみたかったはず。
それを私の「押し付け」により、目の前で料理を食べる姿を見せつけるという
嫌がらせに近い結果となってしまったのです。
(知らなかったこととはいえ、なんてことをしてしまったんだ...)
私は急いで彼のもとに行き、何度も謝罪しました。
アメリカでは一見すると、皆が自分をアピールしており
主張することこそが「自由の国」の常識だと思っていました。
しかし、それはあくまで配慮や思いやりの上に成り立つ文化だったのです。
この一連の出来事による「洗礼」を受けはしたものの、
同時に「自由」の本当の意味を理解したように思います。
自分の常識を押し付けず、寛大であること。
アメリカで得た真の「自由」を胸に、今後も精進していきたいと思います。
日本財託インサイドセールス部ISチーム
F・T
◆ スタッフプロフィール ◆
兵庫県姫路市出身の23歳。
インサイドセールス部ISチームで、主に不動産投資に興味を持たれたお客様にイベントやキャンペーンの企画・開催し、コンサルタントへとつなぐサポートをしています。
食べるのが好きなので、この一年は特に沢山おいしいものを食べてきたのですが、
スーツが入らなくなってきたので、いよいよダイエットを開始いたしました。
しばらくは、野菜と共に生きていこうと思います。