誰かを変えることの難しさ
2023/06/22
旅行先で記念撮影をするN・Nさん
25歳の時、これまでの社会人人生のなかで最も大変な経験をしました。
それは、「初めての後輩の育成」です。
それまで、先輩や母から人に物事を教えることの難しさは聞いていましたが、
正直「自分ならできるだろう」という自信がありました。
しかし、その自信は私の慢心であったことに、すぐに気づかされました。
私が育成を担当した後輩は、何度も同じミスを繰り返してしまう女性でした。
ミスの内容は、数字の間違いやメールの誤字といった、
セルフチェックで解決する単純なものばかり。
ミスが起こる都度、
「自分でも確認しようね」「責任感を持とうね」という言葉で注意をしていました。
対策が難しいものでもないので、
注意すれば、そのうち直るだろうと思っていたのです。
しかし、彼女のミスは一向に減りません。
おそらく、私がダブルチェックをしていたので、
大きな問題になっていなかったからではないかと思います。
はっきりと厳しく伝えるべきか、
それとも寄り添いながら彼女自身に気づかせるべきか。
毎日悩みながら彼女に注意し続けました。
しかし、どれだけ言葉を重ねても私の意図は伝わりません。
「どうして彼女は私の気持ちが分からないんだろう。もう諦めてしまおうか。」
ついにそんな考えが頭をよぎります。
しかし、「彼女を成長させることが私の仕事だ」と思い、
諦めずに彼女に伝え続けました。
その結果、繰り返し伝え続けて3か月が経った頃から、
彼女のミスは減るようになり、
半年も経てばミスはほとんど発生しなくなりました。
これは、私にとって「諦めなくて良かった」と思う成功体験であると同時に、
「誰かを変えることの難しさ」を実感した経験です。
そして、この経験は私に大切なことを気づかせてくれました。
それは、これまで私を育ててくれた両親や様々なアドバイスをくれた先輩方も
私の成長を願い、これだけ大変なことをやってくれていたということです。
そのことに気づいた瞬間、私は両親や先輩方に対する
感謝の気持ちでいっぱいになりました。
それから20年以上経った今、私は管理職として働いています。
メンバーには時に、苦言を呈さなくてはならないこともあります。
もしかすると、「口うるさい」と思われているかもしれません。
しかし、彼ら彼女らの成長を心から願い、これからも指導し続けるつもりです。
そしていつか、
私が当時感謝した両親や先輩方のような存在になれたら良いなと思っています。
日本財託 人事総務部 N・N
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県久喜市出身。
人事総務部に所属し、主に新卒・中途社員の採用や研修プログラムの企画運営を行っています。
先日、初めて青森県に行きました。素晴らしい自然や美味しい食事で身も心もスッキリ。
ただ、天気が良すぎて想像以上に暑く、「ここは本当に青森なのか」と驚きました。