友人と休日を楽しんでいるT・Rさん

海外勤務の父親の影響で
小さいころから海外で過ごすことが当たり前の家庭環境でした。

幼少期はニューヨークで育ち、中学1年生の頃には上海へ。
さらに、中学2年生からは香港での生活がスタート。

現地の学校では、同じく海外転勤の多い両親を持つ子どもたちが多く、
仲良くなった友人との別れは日常茶飯事でした。

「今度、日本に帰るんだ」
引っ越しが決まる友人のなかには、日本へ帰国する子もいました。

話を聞いていると、あまり馴染みのない日本に対し、
だんだんと憧れの気持ちが湧いてきたのです。

そんな思いを抱えていたこともあり、進路を決める中学2年生の後半に
日本の高校へ進学したい旨を両親に相談しました。

しかし、思い切って打ち明けましたが、両親の反応はいまひとつ。
どうやら父親は海外に残ってほしい気持ちが強いようでした。

海外の大学に進学した父親は、自分と同じように、
日本の外で"グローバルな視点"を身につけほしいと願っていたのです。

それでも、最後は私の気持ちを汲んでくれたのか、
日本の高校への進学を条件付きで許してくれました。
それば、『第一志望の高校だけを受験する』というものでした。

万が一、落ちてしまったら海外の高校に通うという約束のもと、
受験勉強をはじめました。

私が選んだ高校は、海外の学校に近い自由な校風を持ち、
帰国子女も多い東京都内の大学付属高校です。

受験科目は国語・数学・英語の3教科。

もともと文系の科目は得意でしたが数学は苦手で、
合格するには国語と英語でしっかりと点を取りつつ、
数学をいかに底上げできるかがカギとなります。

毎日、中学の授業が終わると友人たちとバスに乗り、そのまま塾へ直行。

休日も塾に足を運び、週7日で過去問を中心に学習を進めます。

国語と英語は比較的早く合格ラインには達しましたが、
数学は波があり、苦手な分野が出題されると平均点にも届かないこともありました。

しかし、日本の学校に行くためには克服しなければなりません。

現地の学校の授業がほとんど終了する11月には日本に向かい、
受験までの2か月間、ひとりホテル住まいをしながら、日本の塾で勉強に励みました。

その甲斐もあって、受験当日までには数学も合格ラインに達し、
当日は平常心で臨むことができました。

結果、国語と英語は狙い通りの高得点を取り、
数学もやや点数は落としたものの、合格ラインには十分な点数を獲得できたのです。

合格報告をすると、母は喜んでくれましたが、
父は「じゃあ、行っていいよ」と、わりとあっさりとした返事でした。

あからさまにほめる父ではありませんが、
約束を守り、条件をクリアした私の決断を尊重してくれている様子でした。

3月の卒業式を経て、晴れて日本の高校に進学すると、
付属の大学時代も含めた7年間で、
一生の友達といえる友人たちと出会うことができたのです。

まだ海外にいる父とは、年に1度程度しか顔を合わせる機会はありません。

ただ次に会った時には、胸を張って「日本に来て良かった」と言えるよう
日本財託のコンサルタントとして精進していきたいと思います。

日本財託　トータルソリューション部
T・R
◆　スタッフプロフィール　◆
アメリカ・ニューヨーク出身の23歳。
トータルソリューション部に所属し、東京中古ワンルームを通じて、お客様の老後の不安を解消することを目指しています。
最近は、「VALORANT」という対戦ゲームにハマっています。幕張メッセで開催された世界大会の現地観戦にも行き、あまりの熱気に「これがeSportsか」と感心しました。