マラソンに挑むH・Tさん

大学2年生の春、「ウルトラマラソン」という100kmのマラソン大会に参加しました。
これはいまの私の支えになっている経験です。

中学・高校で陸上部に所属し、長距離走に打ち込んでいた私は、
大学では趣味程度に走ろうと思い、ランニングサークルに入りました。

活動は週に２回、ジョギングをする程度。
仲間と雑談しながら走るのを楽しんでいました。

そんなある日、サークルの同期・先輩にウルトラマラソンに誘われました。

「100km」という距離を聞いた時には驚きましたが、
「中高で６年間走り続けてきた自分なら、完走くらいはできるだろう」
そんな軽い気持ちで出場することを決めました。

そして迎えた本番当日。
実際に走ってみると、100kmは簡単に走り切れる距離ではないことが分かりました。

まず、30kmほど走ったあたりで片足がつり、
その足をかばいながら走っていたことで、その後すぐに両足がつってしまったのです。

残りの距離は65km。

「これだけの距離を両足がつったままで走り切れるわけがない」
そんな絶望感に包まれていました。

しかし、苦しそうな私の様子が伝わったのか、
共に走っていた同期や先輩が、私のペースを合わせながら励ましの言葉をくれます。

「本当にありがたい。これだけ助けてもらいながら、諦めるわけにはいかない」
そんな気持ちが芽生え、50km地点の休憩所を目標に走ることを決めたのです。

仲間に支えられながら、なんとか休憩所まで到着。

この時は「目標の休憩所まで走ったし、リタイアしても良いかな」と思っていました。
しかし周りを見ると、応援に駆けつけてくれた仲間や、共に走ってきた同期・先輩がいます。

「ここで諦めるのは恥ずかしいし、諦め癖がついてしまう！」
そう思い直し、気力を振り絞って、再度ゴールを目指して走り始めることにしたのです。

とはいえゴールまでまだ半分。

70km地点からは、疲労もピークで全員が無言の時間が続きます。
この時には足の痛みも麻痺して、普段通り走ることができるようになっていた私は、
恩返しのつもりで先頭を走り、仲間を引っ張っていました。

この後もつらい道のりが続きましたが、13時間ほど走ったところで、ついにゴールが見え始めます。

目印のアーチが目に入ったときは、
「やっとこの地獄から解放される。早くあそこに辿り着きたい」そんな気持ちでいっぱいでした。

そして、ついにゴール。
共に走った仲間と喜びを分かち合いつつ、言葉にするのも難しいほどの達成感が身を包みました。

これは、間違いなくこれまでの人生の中で1番しんどかった経験です。
しかし、ゴールが見えた時の喜びや完走した後の達成感も、人生で１番のものでした。

この時私が学んだことは、
「つらい経験を乗り越えた先には、強烈な達成感がある」ということです。

いま私は日本財託に新卒で入社し、物件の仕入れを担当しています。
やりがいのある仕事ではありますが、時に楽な道に逃げたくなることもあります。
そんな時は、このウルトラマラソンの経験を思い出し、自分を奮い立たせるのです。

「あの時、100kmという途方もない距離を完走できたのは、1km1kmを積み重ねたからだ。
きっと、今の地道な仕事が、将来の大きな結果と達成感につながるはず」
そう信じて毎日頑張っています。

いつか大きな結果を生み出せるよう、会社の合言葉である、
「コツコツが勝つコツ」を胸に刻み、日々精進していきたいと思います。

日本財託　仕入事業部　仕入開発課
H・T

◆　スタッフプロフィール　◆
滋賀県大津市出身。
仕入れ事業部に所属し、主に物件の仕入れを行っています。
趣味はスポーツ観戦をすること。
最近はNBAを見ることにハマっていて、ドラフトで推しの選手が指名されなくてがっかりしました。