旅の"後"の話
2023/07/27
佐賀のご自宅に招いていただいたご夫婦とT・Kさん
5年ほど前、約5ヵ月間に渡ってバイクで日本一周の旅をしました。
当時勤めていたIT系の会社を退職し、
自分の好きなことのために時間を使おうと決意。
いくつか溜まっていた"やりたいことリスト"の中から
自分が生まれ育った国のことを知ろうと選んだのが、バイクでの日本一周です。
着替えやテントなど必要なものをバイクに積み込み、
東京をスタート地点として、まずは東北、そして北海道を目指しました。
バイクの後ろには『バイクで日本一周中!』と書いた看板を掲げていたこともあり、
道中はいろんな方から激励の声をかけてもらえます。
ひと月半ほどで東京に戻ってきてから、すぐに西へ向けてスタート。
8月の末頃にたどり着いたのが種子島でした。
そこでもたびたび声をかけてもらえたのですが、
あるとき70代のおじいさんに声をかけてもらえたのです。
その方は佐賀にお住まいで、種子島にはお墓参りで来ていたとのこと。
「もし佐賀に寄ることがあったら連絡してよ」
連絡先を交換してその場は別れました。
佐賀にたどり着いたのは10月に入ってからでした。
約束通りおじいさんに連絡を入れると、
「連絡してくれたんだね!せっかくだからうちに泊まっていきな!」
とお誘いをいただいたのです。
さっそくおじいさんのご自宅へ伺うと、奥さんと一緒に出迎えてくれました。
「疲れているだろうから夕飯は焼肉に行こう!」
「お風呂も沸かしてあるからゆっくり休んでいきな」
優しいご夫婦に甘えて、至れり尽くせりのおもてなしを受けていると、
「実は50年くらい前、自分も日本一周をしたことがあるんだよ」と話し始めたのです。
なんとおじいさんは、半世紀も前にヒッチハイクで日本一周をされていたそうです。
当時は移動手段も限られていたので、2年弱もかかったとのことでした。
旅先の話はもちろん面白かったのですが、
印象に残ったのが"旅が終わった後"の話でした。
「職場の同期とは差がついてしまっていた。追いつくためにはがむしゃらに働くしかなかった」
好きなことに時間を割いていたからこそ、その差は当然の結果でした。
同僚に追いつくのではなく、追い抜く勢いで必死に働いたそうです。
すると、同僚だけでなく先輩をも追い抜き、自分の会社を立ち上げるまでに至ったとのこと。
『旅が終わった後はどうなってしまうのか』
私自身も、旅の終わりが近づくにつれて、
後ろめたい気持ちを抱くようになっていました。
ただおじいさんの話を聞いたことで、
旅が終わった後、私も現実と向き合う覚悟ができたのです。
ご夫婦と別れ、2か月ほどで旅を終え、すぐに転職活動を開始。
1ヵ月と経たず、新しい職場へ入社することができました。
そしておじいさんのように必死で働き、
約1年前からは日本財託の賃貸コンシェルジュとして入居者募集業務に携わっています。
コロナ禍もあり、おじいさんとの交流は途絶えてしまいましたが、
その時の出会いや交わした会話は、今でも私の原動力となっています。
日本財託管理サービス 賃貸営業部
T・K
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都葛飾区出身の31歳。
賃貸営業部の賃貸コンシェルジュとして入居者募集を行い、
オーナー様に1日でも早く日割り家賃をお届けできるよう努めております。
バイク旅中に出会った静岡「さわやか」のハンバーグが忘れられず、今でもそのハンバーグだけを食べにバイクで静岡に足を運んでいます。好きな食べ方は半分をオニオンソースで、もう半分を塩で食べることです。