祖母の介護で深まった「兄弟の絆」
2023/08/03
ご家族の結婚式で記念撮影をするM・Tさん
私には兄・姉・妹の3人の兄弟がいます。
幼いころはいつも一緒に通学をしており、
周囲からは「仲良し兄弟」だとよく言われていました。
一方で、家ではリモコンの取り合いなどの兄弟喧嘩が日常茶飯事。
兄弟そろって母に怒られることも珍しくありませんでした。
喧嘩がヒートアップした日には、夜中に兄弟4人そろって家を追い出されることもあり、
一致団結して「仲直りしたふり」で家に戻してもらっていたものです。
当時から喧嘩はありながらも、仲の良かった私たち兄弟ですが、
現在は「この時よりも深い絆で結ばれている」という自信があります。
その理由は、3年前から1年間続いた「祖母の介護」です。
両親が共働きだったこともあり、
幼いころ、私たち兄弟はよく祖母に面倒を見てもらっていました。
祖母は美味しいご飯を作ってくれたり、好きなものを買ってくれたりしたので
兄弟全員にとって「大好きなおばあちゃん」でした。
そんな祖母がガンを患い、次第に介護が必要な状態になってしまったのです。
一番頭を抱えていたのが母親でした。
「気持ちの整理がつかない」「どうしたらいいのか」
ポロっとそんな言葉を漏らす母の姿を見て、
兄弟全員が「自分たちでなんとかしなければならない」という責任感を持つようになりました。
そして兄弟4人で話し合い、2つの誓いを立てます。
それは「祖母との時間を大切にすること」「母に負担をかけないこと」です。
しかし、このような誓いを立てたものの、
実際に介護を経験してみると、知らないこと、分からないことばかりだと気づかされます。
例えば夜中の介護です。
トイレや急な発作などで対応が必要になることがあり、想像以上に大変でした。
そうした時には、1人でだめなら2人で、2人でダメなら3人で、3人でダメなら兄弟全員で。
そんな精神で、兄弟が交代で夜中の介護の対応をしました。
しかし平日は兄と私が仕事の関係で参加できず、どうしても母・姉・妹に負担がかかってしまいます。
そこで兄と私は、電話やチャットで状況を把握するようにしました。
姉や妹からは「毎日電話してこなくてもこっちは大丈夫だよ。ありがとう。」という言葉をもらい、
申し訳ない気持ちになると同時に「姉や妹が困ったときは絶対に力になろう」と思いました。
そして自分の中で、平日に何もできない分「土日は必ず帰省する」ことを決心します。
こうした行動の結果、親や姉妹は「毎週帰ってきてくれてありがとう」という言葉をかけてくれ、
それに対して兄と私が「平日は任せきりになってごめんね」と伝える、
そんな良好な関係を維持することができました。
最終的に祖母の最期を看取る際には、できる限りのことをしたこともあり、
全員が思う存分涙を流して別れを告げることができたように感じます。
この介護を経た現在、私の家族は毎週末、
全員揃って食事をしたり、兄弟の家庭を含めた大人数での旅行をしたりします。
そして他愛もない話で笑いながら、家族の絆や繋がりをより深めていくのです。
今私たち兄弟4人を仲良く、不自由なく育ててくれた祖母と両親には非常に感謝しています。
両親には親孝行をすると同時に、
今後どんな困難があったとしても、「兄弟の絆」で団結・協力して乗り越えていきます。
日本財託 経理部 M・T
◆ スタッフプロフィール ◆
千葉県千葉市出身の30歳。
経理部に所属し、主に経理処理や資料作成を行っています。
最近、兄弟や友人、その家族まで含めて大人数でゲストハウスを貸切りました。
BBQやスポーツを楽しみながら、兄弟との絆を深め、新たなつながりもできました。