社会人1年目 上司の言葉と溢れる涙
2023/08/24
動物とのふれあいを楽しむO・Aさん
私の社会人生活は、IT業界から始まりました。
当時やりたいことも無く、いつでも転職できるように「PCスキルが身に付けば良いか」
という程度の気持ちで働いていました。
そのため配属先では、まさに「指示待ち人間」。
自分から相談や提案をして、行動するような心意気はありませんでした。
入社から半年ほど経った頃、無気力な私 に転機が訪れます。
なんと、システム保守運用管理として、国立大学へ単独での出向を命じられたのです。
この仕事を命じられた時は「なぜ入社して間もない自分が?」 と困惑するばかり。
さらに前任が経験豊富な上司であったこともあり、「期待に応えられるわけがない」と思っていました。
着任してみると、日常業務は1人でも対応できるものの、
教授や学内の方からシステムに関する質問を受けた際には、
うまく回答できずにがっかりさせることもありました。
失望した相手の顔を見るのは非常に辛く、いつしかその辛さから逃げるように
「入社したばかりの自分に分かるわけがないじゃないか」と不貞腐れるようになったのです。
出向から2ヶ月ほど経過し、前任の上司 であるAさんが私の状況を確認しに来ました。
Aさんに現状報告をしていると、それまでの不安で押しつぶされそうな気持ちが沸き上がります。
「なぜ入社したばかりの自分を着任させたのか理解できません。不安もプレッシャーも大きく潰れそうです」
「1年目の私には今回の異動は無茶すぎる、もっと決まりきった仕事がしたいです」
気付けばそんな弱音を吐いていました。
Aさんは私の訴えを静かに聞いた後、私に問いかけました。
「決まりきった業務の中に身を置いた結果が、どうだった?」
Aさんがこれまでの私の仕事ぶりを認識していたことに驚くと同時に、
「指示待ち人間」ではダメだと分かっていた私は、何も言い返すことができませんでした。
黙っている私を見て、Aさんは続けます。
「今の仕事が君にとって難しいことは分かる。だから、1人で対応して欲しいなんて思っていない。
相手の質問で分からないことがあるのは当然だし、そういう時は僕たちを頼って良いんだよ」
そんな言葉をくれました。
「自分1人で完結する必要はない」「周りを頼っても良い」
そのことに気づいた時、肩の荷が下りた安心感から、思わず涙が溢れました。
それからは些細な事でも報連相を徹底するようになり、即答できない場合には
「すぐに確認します」と一時対応し、上司に聞いてから回答するようになりました。
その結果、仕事がスムーズになり、分かることが増えていく過程を
楽しみながら仕事ができるようになっていったのです。
また「困ったときには周りに助けを求めても良いんだ」と考えることで、
「新しいことにもチャレンジしてみよう」と思うことができるようにもなりました。
今では私の意識を変え、
成長につながる言葉をくれたAさんには感謝の気持ちでいっぱいです。
Aさんとのやり取りから12年。
元々部屋の間取りを見るのが好きだった私は
「コツコツとまめまめしく働く」という経営理念に惹かれて日本財託に入社し、
多くの後輩たちと共に仕事をしています。
日本財託ではまわりに頼りつつ、さらに知識と経験を身に付けて
Aさんのような「頼れる人間」に成長していきます。
日本財託管理サービス 管理部 業務課 O・A
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都荒川区出身の34歳。
管理部に所属し、主に退去後の内装工事や費用精算を行っています。
テレビドラマ「VIVANT」を観ることがマイブーム。
毎回衝撃の展開や気になる伏線があり、毎週の楽しみになっています。