仲間と旅行を楽しむO・Aさん

私は幼稚園から高校卒業までの約13年間、サッカーをしておりました。
とりわけ高校での部活動でともに汗を流した7人の同級生は、私にとって大切な存在です。

こう聞くと、強豪校でサッカーをして培った絆だと思われるかもしれませんが、
決してそんなことはありません。

私の通っていた高校はいわゆる進学校だったこともあり、
強豪校のように朝練や昼練といった文化もなく、
1日の練習時間は1時間程度と非常に限られていました。

さらに、7人とは中学時代に試合で少し見たことがある程度で、
元々知り合いだったわけでもありません。

しかし、各々のチームでキャプテンを経験していたという偶然も手伝い、
出会ったときから不思議とすぐに打ち解けることができたのを覚えています。

そんな「縁」を感じる仲間たちですが、根底にはひとつの共通点があったように思います。
それは「まず相手の立場に立って考える」ということです。

印象的だったのは、引退まで残り1年を切った高校2年生の夏。

高校でのサッカー生活で最も大きな大会を前に、
連携したプレーが上手く取れなくなってしまったときがありました。

当時の私のポジションは「サイドバック」という、攻守ともに要となる
重要な役割を担っており、このままでは試合で勝ち抜くことはできません。

（何で上手くできないんだ...）

原因が分からず、悔しさと焦りだけが募っていきます。

さらに悪いことに、連携をできていない様子を見た監督が、
あろうことか原因である私ではなく、相棒である「サイドハーフ」の仲間のA君を
レギュラーメンバーから外してしまったのです。

（自分のせいで、責任のない仲間にまで迷惑をかけてしまった）
これまでたまった負の感情に加えて、自責の念が心に重くのしかかります。

「俺のせいやわ、ごめん」

気が付くと、A君に対し謝罪の言葉が出ていました。
許してほしいというよりも「何してるねん」と責めてほしいと思っての言葉だったように思います。

しかし、A君は怒りを露わにするどころか「気にすんな」と一言。

「他人に迷惑を掛けたくない」と日頃から強く思っていた私を配慮しての一言だったのでしょう。
当時の私にとってはこれ以上なく響く言葉でした。

そこからはプレー中も視野が広がり、仲間との連携もうまくいくように。
いつもの「仲間たち」とともに試合に臨むことができたのです。

仲間たちとは大学進学を機に離れ離れになり、
社会人になってからは集まることも難しくなっていました。

そんな中で先日、A君の結婚式があり、数年ぶりに全員が集まる機会がありました。

仲間たちは医者もいれば、銀行勤めもいて、中には高校教師になりサッカー部の顧問をしている者も。
それぞれが社会人として各々の道を歩んでいます。

しかし、仕事の話になることはほとんどなく、未だに高校時代の話で大笑いできてしまっています。
そんな雰囲気が私は大好きです。

これからも「相手の立場に立つ」思いやりがある限り、この「縁」は続いていくのでしょう。

仲間のひとりとして、今後も彼らと並び立つことができるよう、
私も、私なりの道で日々精進していこうと思います。

日本財託　ソリューション事業部　オーナーサポート課　O・A

◆　スタッフプロフィール　◆
鹿児島県鹿児島市出身の26歳。
ソリューション事業部オーナーサポート課にて、
一棟オーナー様に大規模修繕工事等の提案を行っています。
自宅である賃貸マンションの更新が近づいてきており、引っ越しを検討中。
物件探しが最近のマイブームです。