サンタさん「への」クリスマスプレゼント
2024/01/18
娘さんと休日を満喫するI・Yさん
私には小学5年生になる娘がいます。
子どもがいる家庭で毎年の恒例行事といえば、クリスマスのプレゼント。
私自身、何を買ってあげるべきか、毎年悩みながらも、娘の喜ぶ顔が楽しみでもある、父親の一人です。
ただ、昨年のクリスマスは私にとっても、思ってもみない「プレゼント」をもらいました。
「今年はサンタさんに何のプレゼントをお願いするの?」。
街がクリスマス色に彩られはじめた12月のある日、娘に毎年恒例の質問を投げかけてみました。
娘はどうやら一つに絞り込めないようで、頭を悩ませるばかりです。
そこで、サンタさんへ手紙を書いて、そこにいくつかお願いを書いてみたら、と提案してみました。
娘は早速、机に向かい夜遅くまで手紙を書いてくれた様子。夜にこっそり読んでみることにしました。
見てみると、プレゼントの希望は
「① 巨大ビーズクッション②ダンススクールの習い事で使うダンスシューズ③世界の珍しいお菓子
④ゲームなど」という順番で書かれています。
さらに、手紙には続きがありました。
「パパとママは、仕事を頑張って偉いのに、いつもプレゼントをもらえません。
今年はパパとママにもプレゼントをもらえると、嬉しいです」。
(自分だけでなく、家族のことまでお願いしてくれたんだ)
娘の思いがけない優しさと心遣いに触れ、父親として胸にグッとくるものがありました。
これだけ期待をされては「サンタさん」として頑張らないわけにはいきません。
早速、どのプレゼントを渡すべきか、手紙に書かれていた順に検討していくことにしました。
巨大クッションは、狭い部屋には置くことができない。
ダンスシューズは納品まで1ヶ月ほどかかり、クリスマスまで間に合わない。
世界のお菓子は「特別感」がなく、いつでも買えるだろう...。
結果、消去法で4番目のゲーム機をプレゼントすることに。クリスマスイブの夜、娘が寝静まった後、ゲーム機にラッピングをして、クリスマスツリーの脇に置き、ドキドキしながら床に就きました。
そして迎えたクリスマス当日。プレゼントに気づいた娘は、急いで包み紙を開け始めます。
ところが、プレゼントの中身を見ると、予想に反してガックリとうなだれてしまったのです。
聞けば、クッションか、ダンスシューズか、世界の珍しいお菓子が良かったとのこと。
ゲーム機は希望の順序で最後にある通り、娘にとっては「保険」だったようでした。
がっかりした娘は、失望のあまりサンタさんへ書いた手紙をゴミ箱に投げ捨ててしまいました。
想定外の反応に私自身、その日は一日、仕事が手につかなかったほどです。
なんとか娘の笑顔を取り戻したいと思った私はすぐに「世界のお菓子」を当日配送でネット注文。
そして前日と同様に、夜中にこっそりラッピングをして、再びツリーの脇に設置したのです。
翌朝、娘は予想外のサンタさんからの追加プレゼントに驚き、急いで開封。
緊張しながら娘の反応を伺うと、娘は「すごーい!」と満面の笑顔で喜びを露わにしていました。
クリスマスは1日オーバーしたものの、なんとか娘の「サンタさんへの信頼」を取り戻すことができ、ホッと胸をなでおろしたのを覚えています。
ここで気になるのはゲーム機とお菓子での反応の違いです。
振り返ってみると、娘はダンススクールの帰りに、友達同士でお菓子の交換をしています。
「世界のお菓子」は普通のスーパーでは手に入らないため、友達との「話のタネ」にできます。
ダンス好きな娘にとって、仲間との関係性の構築は、ゲーム機よりも優先順位が高かったのです。
謎が解けてスッキリしたと同時に「社会性」を意識する行動に改めて娘の成長を実感しました。
娘の成長の証であるサンタさんへの手紙は、その後こっそりとゴミ箱から拾い出し、
自分への「クリスマスプレゼント」として宝物にしています。
娘も来年は6年生。次のクリスマスは、純粋な気持ちでサンタさんを迎えられないかもしれません。
父親としては寂しさを感じますが、それも成長している証拠と捉え、見守っていきたいと思います。
日本財託 システム部 I・Y
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都練馬区出身の44歳。
システム部に所属し、当社独自の賃貸管理システム「Beans」の機能改善に携わっています。
最近、娘の塾の宿題を教える際、解けない問題も多く大変ですが、理解した時の快感にはまっています。