娘から父へ贈る「最大級の感謝」
2024/02/08
動物に癒されるA・Yさん(左)と両親に贈ったメッセージプレート(右)
私が生きる上で大切にしていることのひとつに、「支えてくれている周囲の人への感謝」があります。
それを教えてくれたのは父です。
今年で66歳になる父は栃木県の田舎生まれ。
大学を卒業して早々に母と結婚し、東京にある母方の実家に身を寄せていました。
旧来の友人もいない東京で、しかも義理の両親との同居です。
加えて「24時間働けますか」のCMが流行るような時代のなかで、
私を含めた3姉妹を育て上げる苦労は想像に難くありません。
とりわけ、末っ子でお調子者だった私はいたずらをしては父を困らせ、時にはゲンコツをもらうことも。
教育や言動に「昭和の親父」のような厳しさを感じることの方が多かった父ですが、
私が社会人になる時につぶやいた言葉が印象に残っています。
「東京で働くことを決めた時、おじいちゃんとおばあちゃんが一緒に住もうって言ってくれなかったら、
夏休みの家族旅行も、娘3人を大学まで入らせてやることもできなかったかもしれんなぁ」。
子育てにひと段落がついた「大黒柱」の、ホッとしてついこぼれ出た言葉でした。
(これまでたくさん苦労しただろうに、周囲への感謝の気持ちが先に出るんだ。)
あの日、父から聞いた「支えてくれる人への感謝の言葉」。
それは私の心の中にも受け継がれ、不動産の営業として10年以上続けてこられたのも、
苦労や喜びは、決して自分1人のものだけではないということを教えてくれたからだと確信しています。
そんな父は昨年の秋、20年以上勤めた会社を退職しました。
私たち姉妹を育て上げ、65歳まで会社員として立派な背中を見せてくれた父。
今度は私から最大級の「支えてくれた感謝」を贈りたいと思いました。
考えたのは、父が好きな温泉旅行への招待です。
社会人になってからというもの、父とは休みが合わず一緒に旅行をすることがなくなっていたため、
丁度よいと考えたからです。
しかし、ただの旅行の誘いではおもしろくありません。
「今度1泊2日で旅行に招待します。
ただし、行く方法や場所、泊まるホテルも全部到着するまで秘密です。」
招待状を受け取った父は「まるでミステリーツアーだね」とはにかんでいました。
そうして迎えた旅行当日。
穏やかな日差しが降り注ぐ好天の下、両親を乗せた車内では旅先を当てるクイズや、
旅行の直前で宿の予約が上手く取れておらず冷や汗をかいた話などで盛り上がります。
普段、話をする機会もめっきり減っていたものの、口を開けば
まるでいつも会っているようにすら感じ「やっぱり親子なんだな」としみじみと感じ入りました。
たどり着いた「ミステリーツアー」の目的地は、箱根です。
加えて宿泊先は、私が社会人になったばかりの頃、誕生日祝いと家族旅行を兼ねて
父が連れて行ってくれたホテルを選びました。
「ここだったのか、懐かしいなぁ」。
到着したときの父の驚いた顔に、サプライズが成功したと、嬉しい気持ちがこみ上げてきました。
そして、夕食の時。
両親に感謝の言葉を書いたメッセージプレートを用意しました。
「お父さん、長い間お勤めありがとう」
「お母さん、長い間家庭を守ってくれてありがとう」
メッセージを見たときの両親の嬉しそうな顔。
父がかみしめるように言ってくれた「ありがとう」という言葉。
大好きな父と母へ「最大級の感謝」、伝えることができたかな。
気が付くと、私の方が嬉し泣きをしてしまいました。
私の社会人としての人生はこれからも続いていきます。
時には落ち込んだり、悩んだり、周りのせいにしたくなってしまうこともあることでしょう。
そんなときでも、父が教えてくれた「支えてくれる人への感謝の心」を忘れずに、
これからもお客様や仕事の仲間、家族に向き合っていきたいと思います。
日本財託 資産コンサルティング部 A・Y
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都北区出身。
資産コンサルティング部に所属し、東京中古ワンルームを通じて、
お客様の老後の不安を解消することを目指しています。
旅先で必ずチェックするのが「ご当地ポテトチップス」。
変わり種のおすすめは福島県の「ももポテトチップ」と宮崎県の「宮崎牛ポテトチップ」です!