弓道で身に着けた『集中力』
2024/05/09
弓を構える当時(右)のF・Mさん
中学時代、ソフトテニス部に所属し、
進学先の高校の先輩からもテニス部に誘われていたこともあって、
高校3年間はテニスに没頭するつもりでした。
高校のテニス部を見学するため、テニスコートへ向かっていると
『スパンッ』といった気持ちの良い音が耳に届いたのです。
ふと目を向けると、袴を着た先輩が弓を持ち、
構えた矢を放っている姿が目に入りました。
(かっこいい)
弓を放つ凛とした佇まいに一瞬で心を奪われ、
勧誘をいただいた先輩に断りを入れて、
当時はまだ同好会だった弓道部に入部することにしました。
礼に始まり礼に終わる弓道において、
的を射たとしても喜びを表してはいけません。
また周囲で見守るメンバーも声を上げることは許されません。
矢を射るメンバーを静かに待ち、
自分の番になれば、矢を放ち終えるまで平常心で取り組みます。
しかし、この平常心を貫くことが
言葉以上に簡単ではありませんでした。
普段の生活のなかで、悩み事や気にかけていることが少しでもあると、
自分が放つ矢に現れ、狙いが定まりません。
矢を構える前には雑念を無くし、
文字通り"無"になる時間を作らなければ、望んだ結果は得られませんでした。
また高校の練習場は狭く、同時に2人しか矢を射ることができず、
さらに学校の方針で19時までしか部活ができなかったのです。
そこで外部の練習場と交渉し、部活動が終わった後、
大人たちに交じって練習をさせてもらっていました。
場所によっては学校から離れている会場もありましたが、
バスや親の車で向かい、なんとか練習時間を確保してきました。
初めての弓道でしたが、やればやるほどのめり込み、
朝練と部活、そして外部の弓道場と高校3年間、毎日矢を射続けてきました。
その成果を発揮する大会では、個人戦も団体戦も経験。
特に4人1組で行う団体戦こそ、
集中力がものを言います。
自分の番を待つ間、前のメンバーが放つ姿や的の方に目を向けてはいけません。
音だけで結果を感じ取りながら、
集中力を高めつつ静かに順番を待ちます。
自分の番が来ても、勝敗やメンバーの結果を飲み込み、
自分に与えられた4本の矢、1本1本を無心で狙いを定め放ち、
すべてが終わってから仲間たちと結果を分かち合ってきました。
高校卒業とともに、弓道も引退してしまいましたが、
当時身に着けた『集中力』は今でも大いに役立っています。
日本財託でも、一つひとつの仕事に対して集中し、
雑念を捨てて取り組むことができています。
お客様に貢献できるようこれからも弓道で学んだ集中力を活かしていきたいと思います。
日本財託管理サービス ソリューション事業部オーナーコンサルティング課 F・M
◆ スタッフプロフィール ◆
広島県福山市出身。
ソリューション事業部オーナーコンサルティング課に所属し、
一棟物件のお困りごとの対応や協力会社の手配などを行っています。
松竹芸能のアメリカザリガニがお気に入りで、
テレビは一切鑑賞せず、ライブのみを楽しみにしているので、よく劇場に足を運んでいます。