イルミネーションの前で写真を撮るW・Sさん

『ケセラセラ』

中学生のときに通っていた塾の先生から教えていただいた、
「なるようになるさ」という意味の言葉です。

生涯の師とも呼べる、先生は40代の女性で、学ぶことに常に貪欲な方でした。

知識をつけるために、2つの大学を卒業。
大手の塾で、講師として勤めた後に個人塾を開設。
小学生から高校生までの内容を全て1人で教え、何を聞いても答えてくれる。

そんな姿を見て、当時の私は先生のことを生まれて初めて出会った"天才"だと思っていました。

中学3年生の秋のことです。

"超"がつくほど心配性だった私は、
模試で第一志望の高校の判定が「D」と悪い結果で、ひどく落ち込んでいました。
そのときはちょうど友人と喧嘩をしたばかりで、まさに、泣きっ面に蜂という状況だったのです。

先生に模試の結果を報告するとき、私はこのような相談をしました。
「成績が思うように伸びなくて不安です。友達とも喧嘩してしまい、何もかもうまくいきません」

先生はこう答えます。
「まだ時間はたくさんある。頑張り続けたら成績は伸びるよ」
「友達とも仲直りできると思うし、高校でも友達はできる。なるようになるよ！」

当時、精神的に追い込まれていた私にとって、
「なるようになる」という言葉は、なんだか薄っぺらく感じました。
そして、こんなことを言ってしまったのです。

「なんでもできて苦しんだ経験がない先生に、僕の悩みなんて分からないですよね」

この言葉を聞き、先生は自分の過去を話してくれました。

若い頃に癌に罹患して、闘病生活を送っていたこと。
その後も様々な病気にかかり、今も苦しんでいることを明かしてくれたのです。

いつも自身に満ち溢れ、完璧人間で順風満帆な人生を送ってきたと思っていた先生にも、
辛い過去があり、今でも苦しみを抱えていることに衝撃を受けました。

自分だったら、とても耐えられる状況ではありません。
「そんなに辛い状況なのに、どうしてそこまで気丈に振る舞えるのですか？」

私がそう聞くと、先生は答えます。
「常に人生を全力で生き、後悔しないような選択をしていると、悩まないようになる」
「本気で頑張ってるから、たとえ辛い状況でも『ケセラセラ』とポジティブに過ごせる」

この言葉を聞いて理解したことは、本気で頑張っているからこそ、
先生は「なるようになる」と考えられるということです。

先生の言葉の背景を知り、頑張っていたつもりになっていた自分が恥ずかしくなりました。
そして、この言葉をいただいたことを機に、勉強に取り組む姿勢が変わったのです。

それまでは「ここまででいっか」と妥協していたところでも、「あと一歩」を頑張り、
間違えたところの復習をしたり、もう一問解くようにしました。

あと一歩を積み重ねることを習慣にしていると、
見直しを怠ることもなくなり、成績は自然と向上。
最終的に、第一志望の高校にも合格することができたのです。

現在、私は日本財託で2年目の社員として働いています。
1年目は苦しいことも多かったですが、日々、目の前の仕事に全力で取り組んでいると、
振返ったときにステップアップしていることを実感できます。

かつての先生のように「ケセラセラ」と考えられるよう、
これからも毎日を全力で駆け抜けていきます。

日本財託管理サービス　賃貸営業部　W・S

◆　スタッフプロフィール　◆
新卒2年目、千葉県我孫子市出身の23歳。
賃貸営業部に所属し、入居者を募集するための賃料査定や仲介会社への販促活動をしています。
最近、休日の昼呑みにハマっています。
背徳感を味わいながら、顔を真っ赤にして楽しんでいます。