還暦ヒット
2024/08/22
野球中のS・Hさん
2024年7月、定年を迎えました。
日本財託に入社して17年5ヶ月、人事の仕事を行いながら、
所属している野球部では若手社員と一緒に汗を流してきました。
当初はレギュラー争いをしていましたが、
社員数の増加に伴い、野球経験のある若手が増えたので
15年くらい前からは代打要員になりました。
さらに10年ほど前に社会人バレーで膝を負傷したこともあって
ここ数年は打席にすら立っていません。
試合に出たい!という気持ちを押し殺し、
選手以外の方法でチームに貢献できることを考えました。
それからは相手選手のデータをとり、
癖を探って選手に伝えるアナリストの役割を率先して行ってきたのです。
とはいえ、試合に出ることを諦めたわけではない私にとって
今年は追い風となるような出来事がありました。
それは部員の増加に伴い2チーム制となったことです。
私の所属するチームは控え選手が3人しかいなかったため、
いつ声をかけられてもいいように隠れてバッティングセンターで練習をしていました。
密かに万全の状態で臨んだ大会2回戦が行われる7月10日。
偶然にもその日は私が定年を迎えた日だったのです。
試合は序盤から相手の猛攻を受け、リードを許したまま中盤まで進みました。
「次の回、代打で行くよ!」
バッティングセンターで私が練習していることを、
監督は知っていたのでしょう。
このままではコールド負けになってしまいそうな状況で、
突然監督から声を掛けられ、数年ぶりにバッターボックスに立ちました。
この歳で試合に出場している人はほとんどおらず、
グラウンド、そして観戦している人を含めても、
私より年上だったのは、審判と応援に駆けつけてくれた社長だけです。
試合直前の練習では一度もバットを振っていませんでしたが、
バッティングセンターで練習していたおかげか緊張はあまりなく、
むしろ試合に出られる嬉しさが勝っていました。
(よし、出がらしには出がらしの味があるんだという意地を見せてやろう!)
そう思い、この一打席に集中しました。
1球目、ボール。2球目、ストライク。3球目、ボール。
バッティングカウントからの4球目、
相手ピッチャー渾身のストレートをレフト前にクリーンヒット!
手のひらに懐かしい感触を味わいながら、
1塁まで全力で走り切りました。
大会での安打は、10年ぶりくらいでしょうか。
チームメイトからも「還暦ヒット!」などと野次交じりの祝福をもらい、
定年の日の試合で、最高の思い出を作ることができました。
定年を日本財託で迎えられたこと。
そして社員や野球部のチームメイト、仕事でかかわるお客様に
恵まれたことに本当に感謝しています。
これからは嘱託社員として、採用活動に尽力することで
日本財託に貢献していきたいと考えています。
数年後も胸を張って今以上の感謝の気持ちを伝えられるように、
仕事と野球を完全に引退する5年後まで楽しんでいきたいと思います。
日本財託 人事総務部 S・H
◆スタッフプロフィール◆
香川県出身の60歳。
人事総務部で採用担当者として300名以上の採用に携わっています。
パリオリンピックでバレーボールを観戦していた時には、
教員時代に高校の女子バレーチームを指導し、
赴任2年目に香川県大会で優勝したことを思い出していました。