命の危機で再発見した"宝物"
2024/09/19
ご家族と笑顔で記念写真を撮るS・Sさん
昨年、健康診断の結果が「要精密検査」でした。
あまり深刻に考えておらず、数カ月が経過してしまったのですが、
妻に「家族のために早く検査を受けてほしい!」と言われ、しぶしぶ病院に足を運ぶことにしたのです。
検査後、病院から電話がありました。
「できるだけ早く精密検査を受けてください」
動揺する妻をよそに、楽観的な私は、まったく心配していませんでした。
翌週になり、再検査を受けに行くと、検査の結果は衝撃的なものでした。
心臓の冠動脈が3本とも詰まりかけており、いつ心筋梗塞が起こってもおかしくない状態だったのです。
「1日でも早く手術を受けましょう」
医師の言葉を聞き、青ざめる妻。
さすがの私も「それはまずいな」と頭では思いつつ、
このときもまだ、命の危機が迫っている実感はありませんでした。
それから約1か月が経ち、ついに入院当日。
娘たちが玄関まで見送りに来てくれます。
いつもは「いってらっしゃい!」と元気にハイタッチしてくれる娘たち。
その日は、小学2年生の長女が今にも泣きだしそうな顔をしていました。
「頑張ってね。早く帰ってきてね」
そう言って心配そうな顔をする長女。一方、いつも通り無邪気な次女。
対称的な2人の表情が、長女の不安そうな様子を際立たせ、
そのとき初めて、いまから大手術を受けることを理解したのです。
最寄り駅まで向かう途中、娘たちの成長が思い出されます。
(2人とも、大きくなったな~)
そして、急に不安な気持ちが押し寄せてきました。
(もしかしたら手術が失敗するかもしれない)
(もし手術に失敗したら、あの「早く帰ってきてね」が最後の言葉になるのか?)
(もう2度と妻と娘に会えないかもしれない)
思わず涙が溢れそうになり、娘たちのいる家に引き返したい衝動に駆られました。
そんなとき、妻からのLINE。
わたしの不安な気持ちを見透かしたかのような、笑顔の娘たちの写真と「頑張ってね」のメッセージ。
妻の優しさを感じ、フツフツと勇気が沸き上がり、手術に臨む覚悟が決まりました。
結果的に、手術は予定通りの6時間で終了し、無事成功。
2週間の入院期間を経て、仕事に復帰することができたのです。
大手術で再確認できたことは、私は"人"に恵まれているということです。
長期間仕事を休むことを報告した際、
開口一番「仕事を気にせず、休みなさい」と言ってくださった、社長や上司。
治療に専念できるよう、サポートしてくれた同僚たち。
入院生活を支えてくれた妻と、毎日電話で励ましてくれた娘たち。
命の危機があったからこそ、当たり前ではない"宝物"に気付くことができたのです。
いま、私は日常の生活に戻っています。
「いってらっしゃい!」
娘たちは、毎日無邪気な顔で、私を送り出してくれます。
(よし、今日も頑張ろう!)
私を支えてくれる全ての人たちへの恩返しのために、
毎日を全力で、そして大切に過ごしていきます。
日本財託 仕入事業部 S・S
◆ スタッフプロフィール ◆
岡山県岡山市出身の50歳。
仕入れ事業部に所属し、投資用不動産の仕入れや販売につなげるための準備をしています。
最近、娘2人と念願のカラオケに行きました。
2人で一緒に『アンパンマン』のテーマを歌っている姿が、とても可愛かったです。