特等席から見る子供の成長
2024/10/03
仲間とブドウ狩りを楽しむM・Rさん
次男が小学5年生のときに加入したバドミントンクラブには、
試合に出場する子供の親が審判を行うというルールがあります。
私は競技としてバドミントンに取り組んだ経験がなかったため、
すぐに審判はできないなと考えていた矢先、
加入してからわずか2週間後に次男の試合出場が決定しました。
次男は試合に出られることを喜んでいましたが、
私の心の中では次男が試合に出る嬉しさと
審判を務めることへの不安、2つの感情が渦巻いていました。
試合当日は会場についてすぐ、先輩ママさんの試合を横で見学。
その後、審判の心得やスコアシートの書き方、コールの仕方等、
一通りのレクチャーを受け、本番に臨みました。
「基本的に、選手は審判の言うことを聞いてくれるから気負わずにね」
先輩ママさんからアドバイスを受けるも、
いざ試合が始まると自由奔放な子供たちは
こちらが声をかける前にどんどん試合を進めてしまいます。
途中、どちらに点が入ったのか分からなくなってしまいましたが、
私は試合を止めることができませんでした。
異変に気づいてくれた先輩ママさんが、
試合を止め、スコアシートを直してくれたので大惨事は免れましたが
私の主審デビューは散々でした。
この日は2回審判を行うことが決まっていたため、落ち込む暇もなく
次に審判を務める地区大会の準決勝に向かいます。
自分の判断やミスで大事な試合に水を差してしまったらと考えてしまい
試合前は手が震えていました。
そこで不安を紛らわせるために、教えていただいたことのチェックをもう一度行い、
心を落ち着かせて試合に臨みました。
準決勝ということで選手のレベルも上がっており、
そのコーチや親御さんたちの応援にもかなり熱が入っています。
スコアにほとんど差がないまま試合が終盤に差し掛かった時
ラインギリギリで判断が難しい場所にシャトルが落ちました。
「それインだよ!イン!」
線審はアウトを提示していましたが、
すぐ後ろでかぶりついて応援している親御さんや
私の場所まで歩み寄ってきたコーチはインだと主張しています。
主審の場所からは少し離れていたので判断を迷いましたが、
大事な場面だからこそ審判が慌ててはいけないと
言われたことを思い出し、線審を信じることにしました。
「アウトです、遅延行為は控えてください」
内心冷や汗をかきながらも、冷静に伝えることができたのです。
再開した後は特に問題も発生せず、無事に試合を終えることができました。
この経験からは子供たちやその親御さんの
バドミントンに対する「熱」を感じました。
勝って喜ぶ子もいれば、負けてしまいコートの中で涙を流す子もいます。
スポーツの世界は勝敗がはっきりついてしまうものですが、
どの子も努力してきた過程があり、
私たち審判は子供たちがその過程を発揮できるように
正しい判断をしなければならないと改めて感じました。
これからも生き生きとした子供たちのプレーを
特等席から見守りたいと思います。
日本財託管理サービス 債権管理部更新契約課 M・R
◆スタッフプロフィール◆
静岡県焼津市出身。
債権管理部更新課に所属、更新時の事務手続き・条件改定業務を行っています。
最近の趣味は映画鑑賞。レイトショーを堪能した後の晩酌がひそかな楽しみです。
今年は一人旅に挑戦したいと考えています。