国境を越えた信頼関係
2024/11/28
学生団体の友人とオーストラリア旅行中のF・Mさん
大学生のとき、日本企業と海外の学生をマッチングするための
インターンシップ運営をする団体に所属していました。
3年生のときに出会った方が、ドイツ人女子大生のTさんです。
私はインターンシップの運営団体の担当者として、
企業の採用担当者と彼女の面接に同席していました。
「ワタシ、二ホンのマンガ、ダイスキです」
「ダイスキな二ホンでハタライテミタイです。ニホンゴもベンキョウしてきました」
Tさんは面接の間、英語を使うことなく、
振り絞ったように、カタコトの日本語で思いを伝えてくれました。
彼女の熱意や真面目な性格が伝わり、
面接に参加していた企業担当者から、その場で採用が言い渡されたのです。
同席していた私も、彼女の熱い思いに胸を打たれ、
できる限りのサポートをしてあげたいと感じていました。
ただ、インターンシップは1か月半にも及びます。
ビザや役所の手続き、渡航後のイベント企画など、やるべきことは山積みでした。
また、信頼関係を築くことも重要です。
チャットでは、専門的で馴染みのない英単語で、複雑な質問がたくさん送られてきます。
それでも回答が遅れると不信感につながるため、
8時間の時差があるなか、深夜や早朝であっても、少しでも早く回答しました。
また、ときにはスカイプで顔を合わせて、徐々に信頼関係を築いていったのです。
渡航前1週間は、毎日のようにオンラインで相談に乗り、
Tさんの不安を少しでも軽くしてあげることを意識しました。
そして迎えた、日本への渡航当日。広島空港でTさんを出迎えに行きます。
オンライン上で、何度も顔を合わせていたTさん。
実際に会うのは初めてでしたが、遠目でもすぐに彼女だと分かりました。
(思ってたより身長低い!やっと会えた!)
ひとまず渡航まで導けた安心感や、ようやく対面で会えた嬉しさ。
様々な思いが込み上げてきて、自然と駆け寄っていました。
彼女も私を見て安心したのか、不安そうな顔から笑顔に変わり、2人でハグをしました。
信頼されていることを感じた瞬間です。
こうして開始した、インターンシッププログラム。
Tさんは持ち前の熱意と努力家精神で、明るく楽しそうに働いてくれました。
そして、プログラム開始から1か月半。
最後の報告会で、インターンシップで学んだことや楽しかったことを話してくれます。
面接時はカタコトで、振り絞るように話していたTさんが、
堂々と日本語で発表する様子を見て、溢れるものを抑えきれませんでした。
彼女がドイツへ帰国してから5年が経っています。
ドイツへ旅行に行った際に、彼女の家に泊まらせてもらったり、時折、近況報告をしたり。
関係は現在も続いています。
「Tさんとの話、会社のメルマガに乗ったんだ!」
久しぶりにチャットをして、思い出話ができたら良いなと思っています。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課 F・M
◆ スタッフプロフィール ◆
タイ・バンコク生まれ。
マーケティング部セールスプロモーション課に所属し、
集客施策の企画・立案やメルマガコンテンツの執筆をしています。
先日、学生時代の友人と小石川後楽園を訪れました。
ところどころ紅葉もみられ、鳥の声や水のせせらぎに心が安らぎました。