茶道から学んだおもてなしの心
2021/10/28
高校時代、茶道部の仲間と記念撮影するT・Nさん(写真中央)
「早急に対応していただきありがとうございます、ご自愛ください」。
少し前に、私が担当した案件で入居者様からいただいたお手紙の言葉です。
普段から業務で入居者様から寄せられるお困りごとに向き合っている身として、
非常に嬉しく思いました。
振り返ると、高校時代に茶道部の活動で学んだ
「おもてなしの心」が生かされているように思います。
私が通っていた高校の茶道部は活発で、
他校では週1回の活動がほとんどでしたが、私のいた部では週3回のお稽古に加え、
休日は地域の方を招いたお茶会に参加していました。
とはいえ私は入部するまで茶道にそれほど関心があったわけではなく、
入部を決めた理由も「和菓子が食べられるから」。
そんな私からすれば、茶道部での日々は忙しく、また学ぶことばかりでした。
茶道はただお茶を点てて飲むだけだと思われがちですが、
季節や参加者ごとにお茶を飲む和室の飾りや道具を準備したり、
お茶席の席での役割を決めたりなど、考えことは多岐にわたります。
加えて歩き方などの所作一つ一つにも決まりがあり、
入部してからは覚えることが多く、またお茶の先生が厳しかったこともあり、
よく怒られていたのを覚えています。
そのため最初は失敗ばかりで、当時は大変な部活に入ったなと思いました。
しかし、少しずつ経験を重ねていくにつれ、
シンプルな空間や所作の一つ一つに意味が込められている点や、
主人と賓客が互いの心を和らげ合い、
茶会をつくる「和敬清寂(わけいせいじゃく)」の精神など
茶道の奥深さが楽しく思うように。
何より、お茶を振舞った人に「一番、一息つけた瞬間だった」と満足してもらえることが嬉しく、どんどんのめり込んでいきました。
そんな活動のなかで最も記憶に残っているのは、
部長として臨んだ最後のお茶の大会です。
大会は近隣の高校の茶道部が一同に会し、一般のお客さんを招いて行われます。
審査員としてお茶の先生方が見守る中、
参加した生徒は作法の一つ一つで失敗がないよう、緊張した面持ちです。
ビシッとした雰囲気のなかでしたが、私は作法よりもお客さんがほっと一息ついてくれることを大事にしようと心に決めていました。
お茶会について興味を持ってもらえるような説明を心がけたり、
小さい子どもがいれば、やけどしないように釜の中のお湯の温度に気を配ったり。
来てくれたお客さんみんながリラックスでき、
そして、お茶を楽しんでもらえるよう、心を尽くしました。
大会終了後、お客さんからいただいたアンケートには
「ここの高校の雰囲気は和やかで良かった」
といった嬉しい言葉が並んでいました。
自分が大切にしていた「おもてなしの心」が通じたことが
とても嬉しく、今でも忘れられない出来事の一つです。
いま業務では賃貸管理の一環で、入居者様のお困りごとの対応やオーナー様の
契約書の更新などを任されています。
一人一人状況の違うお客様とのやり取りは、お茶会と同じで一期一会。
今後もおもてなしの心を大切にし『日本財託で良かった』と思っていただけるような
対応をしていきたいと思います。
日本財託管理サービス ソリューション事業部 T・N
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都西東京市出身。
ソリューション事業部オーナーコンサルティング課に所属し、主に共用部の不具合の対応や契約書類の変更手続きなどを行っています。
高校を卒業した後も当時の顧問の先生に誘われてお茶会などに参加しています。コロナ禍の今は自宅でお茶を点てたいと思い、道具を集めているところです。