はじめての親孝行
2022/01/13
お父様とエジプトへ行った際の記念写真
「自分のためにも、親孝行はしておけ」
私が中学に進学したころから、父が幾度となく言っていた言葉です。
というのも、父方の祖父は海外旅行に行ったことがなかったため、
父が海外旅行に連れて行こうと祖父にパスポートの申請を依頼。
パスポートはできたものの、実際に海外旅行へ連れていく前に
祖父は他界してしまいました。
父はそれをひどく後悔しており
「親の葬儀で泣くのは親孝行ができていない無念があるからだ」と
語っていたのを覚えています。
とはいえ学生時代の私は正直なところピンと来ておらず、
いつもの口癖だ、と気にも留めていませんでした。
そんな父も6年前に還暦を過ぎ、
ここ数年は、もともとは筋肉質だった二の腕も細くなってしまいました。
老いていく姿を見ると、父の親孝行話が自分事として現実味を帯びてきます。
「あまり時間はないのかもしれない」
そう思い、2019年末、一念発起して父に海外旅行をプレゼントすることにしたのです。
行き先は父が一生に一度は行ってみたいと言っていたエジプト。
私の仕事の都合上、2泊5日の弾丸旅行となりました。
飛行機で約19時間、エジプトでは宗教上の理由で
お酒が出されないから今のうちに飲んでおこう、と
酒好きの父とともに機内で何度も盃を交わし、他愛のない話に花を咲かせます。
現地では豆を中心とした異国の料理に舌鼓を打ちながら、
バスの移動中にも拳銃を持った警備の人が付いて回るなど
日本との違いにお互いに驚きながら名所を巡っていました。
一番の思い出はやはりピラミッド。
腰の上ほどの高さの四角形の石が隙間なく積み上がり
内部は人ひとりが通れる道幅ながら高さがある空間に、思わず息をのむほどです。
映像や写真でしか見たことがなかったものが肉眼にあることに、
父も「おおっ」と声を上げ、楽しんでくれているようでした。
父との二人旅の時間はあっという間に過ぎ、成田空港に到着。
別れ際、父が一言
「楽しかった、ありがとう」
と言ってくれました。
普段、あまり感情を表に出さず、さっぱりとした性格の父。
そんな父からの感謝の言葉に、ようやく一つ親孝行ができたのだと
充実感がこみ上げてきました。
また、誰かを喜ばせることができれば、自分自身もこれほど嬉しい気持ちになるのかと
身に染みて感じた出来事でした。
私は今、コンサルタントとして年間400件以上、
お客様とご面談をさせていただいており、たくさんの感謝のお言葉をいただいています。
その度に父との出来事を思い出し、
より喜んでもらうにはどうすればよいか徹底的に考えています。
今後も父やお客様を含む大切な人への「孝行」を積み重ねていきたいとおもいます。
日本財託 資産コンサルティング部 I・H
◆ スタッフプロフィール ◆
神奈川県横浜市出身の29歳。
投資用マンションのコンサルタントとして、日々資産運用のご相談を受けています。
自分自身でも4戸の投資物件を所有しており、毎年12月には必ず繰上返済をしています。
昨年12月に私の初めての著書『月4万円とボーナスではじめる 新しいFIRE入門 不動産投資による堅実なSide FIRE戦略』を上梓いたしました。両親もとても喜んでくれました。