27年分の想いを込めた一通の手紙
2022/02/24
私はふたりの兄と母の母子家庭で育ちました。
母は一言で言うと「強い女性」。
看護師として働きながら、女手ひとつで3人の子供を大学まで育て上げました。
私はというと、思い返せば学生時代から母に心配をかけっぱなしだったように思います。
小児喘息を患っていたりと、昔から体がそれほど強くありません。
小学校低学年のころは毎朝、病院に通ってから登校する日々。
高校時代もある日は体調不良で電車で倒れ、またある日は車と接触して
肋骨を骨折するなど、親の立場からすると気が気でなかったと思います。
そんな母の苦労をよそに、私は「我が道を行く」人生を過ごしてきました。
実家のある熊本県の大学を卒業後は、心配だから地元に残ってほしいという母の希望を
受け入れず、あまつさえ「最も仕事が厳しい」と言われる大手証券会社に就職。
エリア総合職として福岡で働く形態でしたが、入社3年目には母に相談せず
総合職転向を決意し、そのまま大阪へ転勤したのです。
母の力強い支えがあってこそ、今の私がある。
日頃からそう感じていたものの、照れくささもあり
これまで気持ちを伝えることはありませんでした。
機会が訪れたのは、昨年の10月に挙げた結婚式です。
式の定番である新婦から親への手紙に思いを込めることにしました。
手紙を書いていると様々な母の姿が思い浮かびます。
病院通いだったころ、何度も点滴を打たれて泣きじゃくっている私に
何時間も寄り添ってくれたこと。
急な体調不良やけがで病院に搬送された際、母が仕事場から大急ぎで駆けつけてくれ、
心配しながらもあれこれと世話を焼いてくれたこと。
私の勝手な決断の度に「大丈夫なの?」と反対しながらも
最後には「自分がしたいようにやりなさい」と背中を押してくれたこと。
言動の一つ一つに、母がいかに私を大事に想ってくれていたかが伝わります。
そうして迎えた結婚式当日。
式の最後、直前まで何度も何度も書き直した手紙を
これまでの人生27年分の感謝の気持ちを込めて読み上げます。
「お母さんのおかげで今、こうして元気な体で過ごすことができているよ。
多くの友人と夫と、たくさんの素敵な出会いに恵まれたよ。本当にありがとう」
母は終始涙を流していましたが、式が終わってから
「いい式だったね」
と晴れやかな笑顔を見せてくれました。
その姿を見て心が温かくなると同時に、
ようやくひとつ、親孝行ができたような気がしました。
「今日はこんなことがあって...」
母とは今でも2日に1度はやり取りをしています。
いくつになっても、母はやはり私が心配なのかもしれません。
母が手放しで安心できるよう、これからも精進していき、コロナが落ち着いたら
母がずっと行きたがっている韓国旅行に連れて行ってあげたいと思います。
日本財託 資産コンサルティング部 I・A
◆ スタッフプロフィール ◆
熊本県玉東町出身。
資産コンサルティング部に所属し、東京中古ワンルームを通じて、
お客様の老後の不安を解消することを目指しています。
最近ゴルフに興味を持ち、レッスンに通おうと思案中です。