心に刻まれた『桐生魂』
2022/03/10
お祭りに参加するW・Hさん
私の地元、群馬県桐生市では8月の第1金曜日から3日間にかけて
「桐生八木節まつり」が行われます。
その規模は県内最大級。全国から50万人以上が参加する一大イベントです。
地元民にとってもなくてはならない祭りで、
私自身、小学校1年生から6年生まで踊り手や縦笛の奏者として参加していました。
祭りでは、笛や太鼓、鐘による軽快な囃子に踊りを加えた「八木節」と呼ばれる
民謡が披露されます。
そのため私も当時は毎年5月ごろから、地元の公民館で練習に励んでいました。
練習では町内の子どもからお年寄りまでの有志が集まり、
大人たちが教え手となり子どもたちに踊りを指導します。
八木節は音頭と囃子(はやし)、そして踊りが三位一体となって初めて成立する民謡です。
「もっと腰を低く落として!」
「まわりをちゃんと見て!」
年に一度の大舞台に備え、自然と大人たちの指導にも熱が入ります。
一方の私はというと
「週末に見たいテレビを我慢して練習しに来て、どうして怒られなければならないのか」と少々不満を持ちながら渋々従っていたのを覚えています。
ただ、練習を重ねるにつれ、ちぐはぐだった動きに統一感が生まれ、
節目で踊りと囃子のリズムがそろうように。
その様はまるで一つの「舞台」のように感じられ、段々と楽しさを感じるようになりました。
そうして迎えた祭り当日。
法被に鉢巻、足袋姿で桐生市内各所にあるやぐらを回り、
昼ごろから夜まで踊り続けなければなりません。
炎天下で全身から汗が吹き出し、足には血豆が滲みます。
それでも祭りの熱気に当てられたためか、不思議と辛くはありませんでした。
「お疲れ様!」「良かったよ!」
踊り終わった後には両親や近所の知り合い、友人が次々と労いの声をかけてくれます。
老若男女が一つになって舞踊を作り上げ、それを応援してくれる人がいる。
祭りが終わると言いようのない達成感に包まれていました。
そうして気が付けば祭りはもちろん、桐生の街も大好きになっていました。
大学進学を機に地元を離れて早20年。
祭りに参加する機会はめっきり減ってしまいましたが、
八木節は私のソウルミュージックであり、
桐生の街は人と人とのぬくもりを感じさせてくれる場所として心に刻まれています。
2人の子どもに恵まれた今、私のルーツである桐生の街や八木節を
知ってほしいと感じるようになりました。
桐生の街について話すことはもちろん、動画共有サイトなどで八木節を見せたりすると、
子どもたちは興味津々で聞いてくれます。
今はコロナの影響で祭りは中止になっていますが、
再開された際には、子供たちを連れて一緒に踊り、
「桐生魂」を分かち合いたいと思います。
日本財託 損害保険事業部 W・H
◆ スタッフプロフィール ◆
群馬県桐生市出身。
損害保険事業部に所属し、主にオーナー様が加入している損害保険の契約や更新、解約の手続きなどを行っています。
最近はFP2級取得に向けて勉強中。お金に対する知識が深まり、仕事はもちろん、
自分自身の将来を考える上でも非常に役立っています。