母との関係をつないだ私の「天使」
2022/04/21
愛猫のくぅちゃんとK・Aさん
私は就職を機に昨年から再び、実家で両親とともに暮らしています。
こう言うと、元々両親とも仲が良かったのではないかと思われますが、
高校生のころは多少の距離感がありました。
高校に入学してからというもの、勉強や部活に忙しく帰宅は夜の8時ごろ。
家族と一緒に食卓を囲むことも少なくなっていました。
加えて私自身、反抗期の真っただ中です。とりわけ母とは日常最低限の会話のみで、
身勝手だとは思いながらも素直になれない時期を過ごしていました。
そんな母との関係を変化させたきっかけをくれたのは
今でも一緒に生活している愛猫の存在です。
高校2年の夏、ある大雨の日に母と姉が一匹の子猫を拾ってきました。
聞くと、駐車場でぐったりと弱っていたところを保護したとのこと。
家族が皆、動物好きだったことから、
子猫を「くぅちゃん」と名付け、自宅で飼うことになりました。
人懐っこい性格の子で、家の中を歩くと後ろから付いてきます。
わだかまりのあった母とも、
猫を通して少しずつ会話が生まれていました。
転機となったのは飼い始めて2か月ほど経ったころ。
急にごはんを食べなくなってしまったのです。
「くぅちゃん、大丈夫かな」「心配だね...」
かけがえのない家族が弱っていく姿に、不安が募ります。
「一度、病院で診てもらおう」
母と一緒に病院に連れていくことにしました。
母とどこかへ出かけること自体、かなり久しぶりです。
以前の私であれば、おそらく一言も会話を交わさなかったでしょう。
しかし、何か話をしていないとどうも落ち着かず、
反抗期の気持ちも忘れて、喋り続けていたのを覚えています。
そうしてかかりつけの獣医に診てもらった結果、
どうやら大きな病気ではないとのこと。
ほっと胸をなでおろしました。
とはいえすぐに病状が良くなるわけではありません。
私は帰りが遅いので、看病は母親が行うことになりました。
そこから懸命に看病をしてくれた甲斐もあり、みるみるうちに体調は回復。
数週間後には元気に飛び跳ねる姿を見せてくれるまでになりました。
「お母さんの看病のおかげだよ、ありがとう」。
照れくささよりも感謝の気持ちが勝り、素直に感謝の気持ちを伝えることができました。
母はにっこりと微笑みながら「当然だよ」と一言。
離れていた心がまた通じ合った瞬間でした。
そこからは日常の他愛のない会話から、進路などの真剣な話まで
なんでも話せる関係になりました。
大学進学で一時期親元を離れていたものの、
今では一緒に出掛けたり、料理をしたりして過ごしています。
5月からまた、実家を離れる予定です。
それまでは、母との関係をつないでくれた可愛い「天使」に感謝しながら、
目いっぱい遊んであげたいと思います。
日本財託管理サービス 賃貸営業部 K・A
◆ スタッフプロフィール ◆
千葉県松戸市出身。
賃貸営業部に所属し、主に物件の募集に関する事務作業を行っています。
最近暖かくなってきたこともあり、愛猫「くぅちゃん」とともに外を散歩するのが楽しみの一つとなっています。