こころの壁を溶かしたホストマザーの言葉
2022/05/12
同僚のお二人とS・Kさん(中央)
私は高校2年生から約10か月間、アメリカに留学をしていました。
きっかけは3歳年上の幼馴染が先に留学していたことです。
留学先での様子を写したSNSの投稿には、
現地の友人とショッピングやパーティーをして楽しむ姿がありました。
山形県の小さな港町で育ち、海外との縁がなかった私には
そのどれもがカッコ良く思えたのです。
「私も留学を経験してみたい」。
そんな思いで幼馴染と同じ高校に入学。
家族も応援もあり、その夢が叶うことになりました。
留学先はアメリカの最南端、テキサス州。
一面に麦畑が広がる田舎町で、周りに日本人はひとりもいません。
さらに、交換留学という形式だったため、現地の高校に通い、
現地の高校生と共に授業を受ける毎日です。
一方で当時の私は、日常会話もたどたどしい程度の英語力しか持ち合わせていません。
授業の理解はおろか、周囲ともなかなか馴染めず、
思い描いていた理想とのギャップに心が折れそうになっていたのを覚えています。
そんなある日、いつものようにリビングで宿題と悪戦苦闘していると、
教師をしているホストマザーが隣に座りました。
「いつもこんなに時間をかけて宿題をやっているの?」
『今日は特に宿題が多いから...』
嘘です。問題文の意味が分からず、いつも時間はかかっています。
苦笑いで答える私に対して、ホストマザーは微笑みながら
「海外に来て、一人で頑張っていることはみんな知っているよ」
「完璧じゃなくていい。あなたのベストを尽くしなさい」
と優しく声をかけてくれたのです。
その瞬間、すっと肩の荷が下り、安心感が胸中に広がりました。
思えば、それまでホストファミリーや友人たちに迷惑を掛けていないかと心配して
「完璧であること」を求め過ぎていました。
もっと周りを頼ってもいいんだ、完璧でなくてもいいんだ。
私がアメリカに来た意味と、もう一度向き合ってみよう。
ホストマザーの言葉をきっかけに、考え方が変わった瞬間でした。
それからというもの、自分の行動も変化していきました。
授業では分からない部分をクラスメイトや先生に積極的に質問をするように。
出来ない自分を恥じるのではなく、責めるのでもなく、質問をきっかけにして、
周囲とコミュニケーションを取るようにしようと心がけました。
そうしていると、段々と会話のスキルも身についてきて、
自分自身、堂々と話せるようになっていきます。
友達や先生から「日本のことを教えて!」「あなたはどんな考えを持っているの?」と
私自身にもたくさんのことを聞いてくれるようになり、
毎日がとても充実したものになっていきました。
社会人2年目を迎えた今、仕事で課題にぶつかることが多々あります。
そんなときは、ホストマザーの言葉を思い出し、
完璧であることではなく、まずは自分のベストを尽くすことを心がけています。
その際、人に頼ることもあるかもしれませんが、
その分、しっかり誰かを助けられる人でもありたいと考えています。
日本財託マーケティング部インサイドセールス課 S・K
◆ スタッフプロフィール ◆
山形県酒田市出身。
マーケティング部インサイドセールス課CSチームに所属し、オーナー様に向けた情報配信を担当し、キャンペーンのご案内や物件紹介を行っています。
GWには久しぶりに実家に帰省。弟がいつの間にか免許を取って運転していたり、高校1年の妹に身長を追い抜かされていたりと驚きの連続。兄弟の成長を感じました。