サービスに多数決は存在しない
2022/09/22
休日を楽しむH・Tさん
目の前のお客様だけでなく、その背後にいるご家族など、
購入者に関わる全ての人が納得し笑顔になる提案をする。
私が資産コンサルタントとして、常に心掛けていることです。
そう考えるようになったのは、大学時代の4年間
東京ディズニーシーでキャストのアルバイトをしていたことがきっかけでした。
担当していたのは「ヴェネツィアン・ゴンドラ」というアトラクション。
イタリアのヴェネツィアをイメージした運河を、16名乗りのゴンドラの上に立って
トークや歌でゲストを楽しませるキャストです。
当初はとにかく盛り上げることを意識して、
乗船したゲストのなかでも多数のグループを中心に話しかけていたのを覚えています。
全体が「なんとなく」楽しそうな雰囲気だったら良いだろう。
そう考えていたのです。
しかし、それは間違いだったと気づかされます。
ある日、一緒に仕事をしていたキャスト歴10数年のベテランの先輩に
「そのやり方では船に乗っている全員を楽しませることはできないよ」
「サービスに『多数決』はないんだ」
と言われました。
振り返ると、ゲスト全員の顔すら見ることもなく、案内していたように思います。
乗船してくれたゲスト全員を笑顔にさせるという、
ディズニーのキャストとしての基本を忘れていることに気づかされました。
ただ、船上に16名いるなかで、2人組など少数のグループで乗られているゲストも含めて
楽しませることは容易ではありません。
焦れば焦るほど、少数の方の表情が気になってしまい、
次第に良いパフォーマンスができなくなってしまいました。
そうして2か月ほど過ぎ、限界を感じた私は同期や先輩にそのことを打ち明けました。
すると、まずは少数のグループと対話をし、そこで掴んだネタやエピソードを
その他全体に広げる、という方法を教わりました。
半信半疑でしたが、少しずつやってみることに。
すると、だんだんとゲストの反応が変わってきたのです。
印象的だったのは、学生の大グループと老夫婦ひと組を乗せたときのことです。
このままだとまた「全員」が楽しめないと思った私は、思い切って
積極的に老夫婦に話を振るようにしました。
すると、老夫婦は実際にヴェネツィアに行ったことがあるというのです。
「現地はここがこうでね...」
学生たちも耳を傾けながらやり取りに加わります。
その結果、いつの間にか船全体に一体感が生まれていました。
下船時には老夫婦から「いろいろお話ができて楽しかったです」と笑顔をみせていただき、
その後も多くの人に「楽しかった」「また乗りたい」と
声をかけていただくようになりました。
関わる人全員が笑えるようコンサルタントとして、
10年後、20年後にも「買ってよかった」と思える提案をしていきたいです。
日本財託 トータルソリューション部 H・T
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都昭島市出身の26歳。
トータルソリューション部に所属し、東京中古ワンルームを通じて
お客様の老後の不安の解消を目指しています。
最近は「キングダム」のアニメを見るのが楽しみの一つ。
春秋戦国時代を舞台にした熱い男たちのストーリに引き込まれます。