必要不可欠な非効率
2022/11/24
友人と記念撮影をするO・Tさん(左下)
『必要不可欠な非効率』。
一見すると理屈に合わないように思えますが、
私が仕事をする上で大切にしているスタンスです。
そう考えるようになったのは、学生時代に約4年間やっていた
某焼鳥チェーン店でのアルバイトがきっかけでした。
私がアルバイトしていた焼鳥屋では毎朝、協力会社から新鮮な生肉が店舗に納品され、
それをパートさんが捌いて1本1本手作業で串打ちをします。
そして私たちアルバイトが、仕込んで貰った食材を使って、
1本1本塩を振り、タレを付けるなどして時間をかけて丁寧に焼いて
お客様に提供していきます。
さらに、唐揚げや漬物などのいわゆるサイドメニューに至るまで、
そのほとんどを店舗内で一から仕込みを行うのです。
高校時代のアルバイト先だったファミリーレストランでは
料理のほとんどが電子レンジで温めればすぐに提供できるようなものでした。
その経験もあり、当時は『どうしてわざわざ手作業でやっているんだろう?』
『人件費も手間もかかるし非効率じゃないか?』と思っていたのを覚えています。
そんな考えを見透かしていたのか、
当時の店長から『必要不可欠な非効率』があるんだという話を聞かされました。
「確かに機械化したり、完成された食材を使えば、
効率も上がり経費削減につながるかもしれない。
それでも、人の手で一生懸命作る。
目に見えない事かもしれないけど気持ちを込めること、感謝することが大事なんだ。
それがおのずとお客様の為、お店の為になってくるんだ」。
そう熱く語る店長を前に、私はなにか矛盾しているようで不思議な感覚でしたが、
何故だかその通りかもしれないなと、言葉が心にスッと染み込みました。
そしていざ自分が焼き鳥を焼くようになると、
思い浮かぶのは仕事に関わる人たちの姿です。
協力会社が早朝にお肉を納品してくれたこと、
パートさんが一生懸命手作業で仕込みをしてくれていたこと。
加えて、お客様に料理を持っていった際、常連さんがくれる感謝の言葉。
今、私が焼鳥を焼いて仕事ができているのも、仕入れ先からお客様に至るまで、
その全ての人がバトンをつないできてくれていたからです。
だからこそ、一生懸命やらなきゃいけない、感謝しないといけないと思うようになり、
「必要不可欠な非効率」の意味を実感することができました。
現在、不動産業界に身を置いて営業として働いていますが、
この時の気持ちは持ち続けています。
効率を求めるなら、メールや電話だけで済ましてしまえば楽ですが、
時間をかけてでも、お客様と直接お会いして、真剣に向き合って、
コミュニケーションをとること。
非効率からこそ、背景にある気持ちを汲み取ることができ、
結果として様々な人とのご縁が生まれると思っています。
今後もこの気持ちを持って働き続けることが、
お客様の心を動かせると信じて、精進していこうと思います。
日本財託 事業部流通アドバイザリー課
O・T
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県朝霞市出身の27歳。
事業部流通アドバイザリー課に所属し、主にオーナー様のご所有物件の買取や、マンションやアパート、土地などの売買仲介業務を担当しています。
焼き鳥店でのアルバイト仲間とは今でも交流が続いており、
最近ではゴルフを楽しみました。