【FIRE実現オーナー様の声】
43歳FIRE達成者が明かす今日からできるFIRE実現への3つの習慣
村野様(男性) 45歳 東京都在住
きっかけ
昨今、目にすることが多くなった「FIRE」という文字。経済的な自立と早期リタイアの実現を意味する言葉です。
「不労所得を手に入れて自由な暮らしができたら...」
そんな憧れはあるものの、自分のような普通のサラリーマンではなく、特別な人だけができるものだと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は私たちのような一般的なサラリーマンであっても、正しいマインドセットと投資法を実践することで、FIREを実現することは可能です。
そこで今回、どこにでもいる普通のサラリーマンながらコツコツと投資を行い、43歳で年3,000万円の不労所得を達成しFIREを実現した村野博基氏(45)にインタビューを実施。
FIREを達成するために重要な3つの習慣と、今日からスタートを切るための方法をお聞きしました。
FIREを実現する3つの習慣①:時間を「面」で捉える
―村野さんのこれまでの経験から、FIREを達成するために重要だと思われる習慣や考え方は何だと思いますか。
3つあると思います。一つは「なるべく並行に時間を動かす」ことです。 言い換えると、時間を1本の線として捉え、1日が24時間しかないと考えるのではなく、並行に何本もの線を走らせて「面」化することで、24時間を何倍にも増やして資産を作りましょう、ということです。
例えば僕の場合、不動産投資をやっているので、こうしてインタビューを受けているときでも、その裏では家賃収入という形で資産が積みあがっています。
サラリーマンが資産形成をする場合、給料を得るために仕事をしている時間と同時並行で、不動産や株、債券など自分以外のものに働かせることで、普通の人でもFIREに近づくことができるのです。
―その通りだと思います。ちなみに並行に時間を動かすという考えにたどり着いたのはいつごろでしたか。
気付いたのは19、20歳とか、大学生の時だったと思います。当時は年上の人が苦手で...。何だか偉そうじゃないですか(笑)。なので年上の人にとやかく言われないようにしたかったんです。
周囲の年上の人たちに自分が勝っているものは何かを考えたときに、体力と地頭の良さでは勝っていると思っていました。逆に負けているのは経験だな、と分析したのです。
年上の人に自分が勝っているものを考えたときに、最初に考えたのが24時間を目いっぱい有効に使うことでした。例えば、寝なければいろいろできると思い、睡眠時間を3時間にしたこともありましたし、移動は常に駆け足でしたね。当然、そんな生活が長く続くことはなく、始めてから3カ月くらいで気持ち悪くなっちゃって(笑)。
要するに、1本の線を太くしようとしたんですよね。しかし、それでは限界があることに気づきました。
そこからは、本を読んだり、他人の話を聞いたりして学びを得ることが多くなりました。つまり、その人の人生の一部をもらい、自分の人生にするという発想ですね。
これはサラリーマンでも言えることで、本業だけで頑張って収入を上げようとしても、一部のスーパースターでもない限り、必ず限界は来ます。それよりも、線の本数を増やした方が、普通の人でも楽に収入を上げることができると思います。
FIREを実現する3つの習慣②:買い物は「欲しい」を探すのではない
―FIREを実現する習慣の2つ目はなんでしょうか。
買い物をする際、「欲しいもの」のうち、「欲しい」ではなく「もの」に重点を置いて考えるべきだと思っています。つまり、目的を達成するための手段としてものを買いましょう、ということです。
例えば、ペットボトルのお茶を買いたいとします。お茶と言っても、プライベートブランドの安いものから、素材や製法にこだわった高いものまでいろいろありますよね。その中で何を選ぶかとなったときに、ただ単にのどを潤すためか、それともおいしいお茶が飲みたいのか、で選択肢は変わると思います。のどを潤すためであれば、高いお茶は必要ないですし、何ならただの水でも良いわけです。
周りを見ていると、欲しいと思えるものをわざわざ探している気がするんですよね。ある意味必要がないものを買っているわけですから、もったいないことだと思います。
―ちなみに村野さんの最近の買い物で高いものは何でしたか。
高いものは...全然買ってないですね(笑)。しいて言うならば、コオロギの養殖事業を手掛ける会社の未公開株式の新株予約権を9万円で購入したくらいでしょうか。
これは投資が半分、もう半分は「面白い」と思ったから買いましたね。この話をあちこちですると、「コオロギって食べられるの?」とかって食いついてくれるんですよ。ある意味話のネタにするために買ったようなものです。
話題作りという自分の経験になるものに対してお金を使ったわけですが、良い買い物をしたと思っています。
FIREを実現する3つの習慣③:投資で「戦わない」こと
―FIREを達成するために大切な習慣の3つ目は何でしょう。
投資によるFIREを目的にするのであれば、投資する際には「戦わない」ことを前提に戦略を練ることが大切だと考えます。
FIREを達成するために最も重要なことは短期的な成果を求めるのではなく、長期的に継続することです。
戦うということは勝つか負けるか、ということですよね。この「継続する」という観点に立って考えると、戦う投資でFIREを達成する場合、勝ち続けなければならないのです。これってとても難しくないですか。
だから私は投資の軸足を不動産に移したのです。不動産投資は今のところ、戦わない投資では一番利回りが良いと思っていますから。
FIREができる人は「想像力」が違う
―挙げていただいた3つの習慣について、頭では分かっているけれどなかなか習慣化できない方もいらっしゃいます。FIREができる人とできない人、その差は何だと思いますか。
私の周りで考えると、すぐに結果を求めたがる人はFIREを実現しづらいかもしれません。
不動産投資など戦わずに着実に資産形成ができる投資は基本的にすぐに成果が出るものではありません。逆に短期間で結果が出る投資はどこかで負けてしまうと思います。
私の考えとしては、すぐに出る成果に何の意味もないと思っています。これは想像力の部分だと思っていて、例えば、10年後、20年後に振り返ってみたときに、明日の1日だけが偶然上手くいっていただけだった、なんて悲しいじゃないですか。
なので投資においても、すぐに結果が出ないものを眼中から外してしまうのではなく、20年間くらいで緩やかに資産をつくっていけばいいんだ、ということを念頭に置くことが重要です。それができるかどうかが、堅実にFIREが達成できるかどうかの違いだと思います。
―村野さんがそうした長期的な視点に立てたきっかけは何でしたか。
そうですね...。きっかけかどうかは分かりませんが、僕18歳くらいのときに人生の年表を作ったんです。この年表は「1兆円プラン」と呼んでいて、人生で1兆円の資産をつくるというなかなか壮大な計画でした(笑)。
例えば25歳で結婚して、30歳のときには資産が1億円、35歳で5億円、40歳で10億円、というふうに増えていって58歳で1兆円を達成して引退、みたいな(笑)。現実として荒唐無稽ではありますが、書いてみることで、日々何となく先のことを考える習慣ができるんですよね。
それを投資に当てはめたときにどうなるかを考えると、先述したプランではゴールの58歳になる直前の1年間で5,000億の資産が増える予定でしたので、1年資産形成のスタートが遅れると、最後の1年で得られるはずだった5,000億円を失っているとも言えるのです。
自分年表というか、資産表をつくると、先を想像できるので、FIREする力を鍛えるためにはおすすめです。
―村野さんの周囲の方もFIRE達成者、もしくはいつでもFIREをできる状態な方が複数いらっしゃいます。村野さんから何かアドバイスなどをしているのでしょうか。
相談にはのりますが、どちらかというと雑談しているような感じのほうが多いですね。
もし僕がFIREの役に立っているとしたら、それは恐らく僕がFIREをした道のりを知ることで自分自身の道のりも明確になっているからだと思います。周囲の方は年下が多いのですが、僕の投資遍歴と自分を重ね合わせて「1年後はこうして、2年後はこうなっていて、3年後は...」というように将来の自分像を具体的に想像して資産形成をしているのではないでしょうか。
―なるほど。やはり想像力というのがFIREを達成するための一つのキーワードになってきそうですね。
そうだと思います。投資家として大切なのは、無数にある選択肢を俯瞰的に見ることだと考えていて。つまり、自分の「今」いるポジションだけを見て売るべきか、買うべきか、といった選択をするのではなく、未来の選択肢まで可能な限り想像することが重要だということです。
未来の選択肢をたくさん想像するということは「こうなったときはこうしよう」と打ち手を考えることなんですよね。あくまで仮説なので、一つ一つガチガチに固める必要はないですが、これができるのとできないとでは、将来的に大きな差がつくと思います。
スタートラインに立てば、FIREは特別なことではない!
―FIREはしたいけれど、何から始めればよいのか分からない人も多いと思います。私たち普通のサラリーマンが一歩目を踏み出すとしたら、どのようなマインドで、何をすべきでしょうか。
まず、マインドセットの部分ですが、「一部の特別な人しかFIREはできない」といった先入観を捨てることです。
この先入観はおそらく、売買の利ザヤで儲ける投資が念頭にあって、一部の特別な人になるために頑張って勝ち続ける必要がある、と考えているからではないでしょうか。
実は僕も最初はそういった考えだったのですが、今は「時間と支出」を意識すれば普通のサラリーマンでも十分FIREができると考えています。今のところ、それが最も効率よくできるのが都心の不動産投資だと思っています。
―なるほど。アクションの部分ではいかがでしょうか。
何でもよいのでまずはやってみることでしょうね。投資の種類に関しては株でもFXでも仮想通貨でも興味のあるものを選んで、全額失ってもよいくらい少額から始めてみてください。FIREを達成するためにはまずスタートラインに立たないとその次の一手を考えられませんから。
よく「まだ勉強が足りないから」と投資に尻込みをしている人っていますよね。確かに勉強は大切です。ですが、勉強って100%を求めると、終わりがないんですよね。どれだけ勉強しても、失敗をゼロにすることは不可能です。
それよりも大切なものは時間なのです。なので、勉強してから投資をやる、という時間を1本の線として考えるのではなく、投資をしながら並行して勉強をするくらいが良いかと思います。
まずは今すぐ、失敗しても良い程度の小さなことから始めてみる。これがFIREへの近道だと確信しています。
※記事中の情報は2021年7月時点のものです。