賃貸成約件数380件アップでコロナ前の水準に回復!?繁忙期の賃貸実績 速報!
2023/04/06
今週は多くの企業で入社式が行われたのではないでしょうか。
当社も11名の新入社員が入社し、
キラキラした表情に、初心を思い返す良い機会となっています。
一方、賃貸市場では国内外からの移動が活発になる『繁忙期』がひと段落を迎えました。
3月末時点で当社が管理する賃貸不動産は27,067戸で、
入居率は99.73%でした。
昨年、2022年3月末時点での入居率が99.43%でしたから、
0.3ポイントの改善です。
99.73%という数字は初めての緊急事態宣言が発令される直前の
2020年3月末時点の99.89%以来の高い数値となりました。
■最新のワンルームマンション賃貸実績レポート〈2023年1月~3月〉はこちらから
賃貸仲介会社を訪問していると、現場からは
『コロナ前の「繁忙期」に戻ってきた』といった声も聞こえてきます。
とはいえ、繁忙期の途中で気を抜くわけにはいきませんでした。
特に苦戦が予想される物件やエリアによっては、有効な策を講じなければ、
空室のまま繁忙期を終えてしまう可能性もあったからです。
そこで今回のコラムでは、この繁忙期の結果をご紹介しつつ、
空室が長期化している苦戦物件における当社の取り組みについてご紹介します。
まず今年の1月から3月までの当社の賃貸実績をご紹介します。
この3ヵ月間での賃貸契約数は2,085件。
新型コロナウイルス感染拡大直前の2020年1月~3月の総契約件数が1,703件でしたので、
3年前と比べて現在の管理戸数が増えていることを考慮しても
賃貸市場が活況だったことが分かります。
外国籍の入居希望者の動きは活発でしたが、
それだけでなく、地方から東京に引っ越してくる学生や社会人の賃貸需要も堅調でした。
賃貸契約数2,085件のうち、およそ500名、4人に1人が18歳から21歳までの
いわゆる進学する大学生にあたる若者でした。
その背景として、対面授業をメインとする大学が増えてきたことにあります。
例えば、学習院大学では、
『4月からの授業は対面を前提とする』とした方針を発表しました。
またマスクを着用しなくてよい卒業式が解禁となったように、
入社式をリアルで実施する企業も増加。
就職情報サービス会社の学情の調査によると、2023年4月入社の入社式を
リアル開催する企業は81.2%にも上りました。
これは、昨年から14ポイントもアップしており、
さらにリアルで実施する企業のうち『「コロナ前と同規模」で開催する』と回答したのは
91.8%と9割を超えたのです。
コロナ前の状況に社会が戻りつつあるなかで、
確実に賃貸市況も以前の状況に戻ってきているのです。
ただ、いかに賃貸市場が好調の兆しを見せているとはいえ、
過去に長期の空室があった物件では、特別な対策を講じる必要があります。
例えば、築年数が経過して、都心から離れたエリアに立地する1棟アパートの空室は、
築年数が浅く、都心の分譲タイプのマンションに比べて長期化する傾向があります。
そこで当社では、12名の入居者募集専門スタッフ『賃貸コンシェルジュ』のうち
5名で苦戦物件対策チームを作り対応することとしました。
1月時点で30日以上の空室が続く一棟物件59部屋を対象とし、
徹底的な室内確認と募集内容の見直し、さらに仲介会社の訪問を実施。
例えば、空室が長期化している物件は、
ほこりが積もってしまっているケースや排水溝のにおいが充満していたり、
場合によっては室内で虫が死んでいることもあります。
このような状況で内見があったとしても、
空室を解消することはできません。
こうした事態に陥らないためには、定期的に物件を訪問して、
室内を清潔に保つ必要があります。
まずは対策チームで、対象物件の訪問を繰り返し、
仲介担当者が気持ちよく内見して、接客できる環境を整えました。
また、HP上から物件情報の閲覧や内見の申し込みが入らなければ、
現場の写真を撮り直して、差し替えるなど、細かい調整も日々実践してきました。
リノベーションを実施している部屋に関しては、
その特徴をまとめて仲介会社へ訪問した際に、しっかりとお伝えすることも欠かせません。
対象物件に対し、徹底的に対策を行った結果、
3月15日時点では59部屋すべてに申し込みをいただくことができました。
また空室の早期解消のため、
先日のコラムでもご紹介した『リノッタカラーズ』を活用した事例も増加しています。
『リノッタカラーズ』とは、定額・低価格を売りにした
デザイン性の高い新たなリノベーションプランです。
■差別化戦略で家賃2,000円アップ!低価格の新リノベーションプラン『リノッタカラーズ』とは
繁忙期直前の12月から3月末までの間に、
リノッタを実施したお部屋の申し込みは64件にも上ります。
リノベーションを施した結果、退去前の家賃と比較して平均2,331円/月の家賃アップにつながりました。
賃貸市場が好調だからといって、積極的に施策を実施していかなければ
早期の空室解消は叶いません。
こうした取り組みの結果、3月末時点の入居率は99.79%となり、
1~3月の東京23区の平均空室日数は35.9日と、
昨年同時期の平均空室日数42.9日から7日も短縮することができました。
今年の繁忙期はコロナからの回復基調が目に見える結果となりましたが、
繁忙期明けの動きがどうなるかはまだ分かりません。
繁忙期だけではなく、通年で早期の空室解消が実現できるよう、
4月からもしっかり取り組んでいきたいと思います。
日本財託管理サービス 賃貸営業部
綱川 貴也(つなかわたかや)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県白岡市出身の45歳。
賃貸営業部にて、入居者募集活動の現場管理を担当しています。
3月で娘が2歳になりました。コロナ禍ではできなかった遠出も、
今年こそは家族で行けるよう少しずつ計画をしています。