4月に入り、賃貸マーケットにおける繁忙期が終わりました。

昨年10月から12月までの平均入居率が98.51％であったところ、
前月3月末では99.43％まで回復。
コロナ前の水準にまで戻すことができました。

学生の動きが活発になったことに加え、
3月から解禁となった外国籍の入居者が増えたことも大きな要因です。

こうした賃貸需要の回復の兆しをとらえて、
空室の解消につなげることができた背景には
全社をあげての取り組みがあります。

昨年9月から、長期化する空室を1日でも早く解消するため、
『空室撲滅プロジェクト』を開始しました。

対象となったのは、60日以上の空室が続く区分のお部屋122戸と、
30日以上の空室が続く一棟物件88棟111戸です。

合計233戸を2022年3月末までに解消することが、このプロジェクトの目的でした。

今回のコラムでは、1月から3月までの繁忙期を振り返りながら、
空室撲滅プロジェクトの取り組みと結果についてご紹介します。

繁忙期である1月から3月の賃貸契約数は、
各月とも前年と比べて契約数が増加しました。

1月の契約件数は前年比60件増の548件、2月は33件増の681件。
そして、3月は170件増の914件で過去最高の契約件数でした。

また、1月～3月までの解約日から賃料発生までの平均日数は42.9日。
昨年10月～12月と比べて8.0日の短縮となっています。

空室日数を改善できた要因には、
冒頭にご紹介した「空室撲滅プロジェクト」の取り組みがあります。

このプロジェクトでは主に３つの取り組みを実施しました。

ひとつめは、空室物件のローラー大作戦です。
空室期間が30日以上の物件を対象に、
室内点検、共用部の不具合の有無、周辺環境など計23項目のチェック項目を確認。
9部署80名の社員で一斉に物件を確認してまわりました。

もちろん、内装工事が完了した際には、室内に不備がないことは確認していますが、
たとえ空室であっても、それがひと月近くにもなると状況が変わることもあります。

不備がある場合は速やかに対応し、
内見希望者が室内を訪れたときに好印象を持っていただけるよう努めました。

ローラー大作戦の詳細は過去のコラムをご覧ください。
■２つのローラー大作戦！全社を挙げて空室を撲滅する
http://www.nihonzaitaku.co.jp/mailmag/category03/post-792.html

2つ目が「ホームステージング」の実施の強化です。

ホームステージングの効果は主に２つです。

家具や家電を配置することで物件ポータルサイトの写真の見映えを良くして反響を獲得すること。
そして、内見に訪れた方に新生活のイメージを持っていただき、
早期の申し込み獲得につなげることです。

ホームステージングは空室解消に効果を発揮してくれますが、
当社で保管しているホームステージング用の家具や家電は限られています。

お申し込みが入った部屋から別の部屋に早期に家具、家電を設置できるよう、
効率よく運搬できるよう管理する必要があります。

そこで、ホームステージング用の家具・家電を移動、配置する
アルバイトを1月より1名増員し、社員も含めて5名体制で臨みました。

その結果、1月から3月までの間に約75室でホームステージングを実施し、
早期空室解消につながったのです。

そして、3つ目が賃貸仲介会社訪問です。

今回の仲介会社の訪問にはひとつのテーマがありました。
それは、外国籍の方の入国緩和を見据えたアプローチです。

以前より当社では外国籍のスタッフが常駐する国際事業課が中心となり、
訪日前から物件への申し込みと審査が可能な「国際審査」を実施してきました。

2月半ば、3月からの入国制限の緩和について報道されたと同時に、
国際審査に関するマニュアルを作成。
マニュアルを持参して、仲介会社にアプローチを行いました。

手続きをマニュアル化してわかりやすく説明したことによって、
当社が外国籍の入居者への取り組みを広く意識づけることができ、
積極的に当社へのご案内をいただくことができたのです。

その結果、外国籍の方の契約数は飛躍的に上昇しました。

1月は全契約数548件のうち77件、2月は681件のうち107件、
3月は914件のうち、実に352件が外国籍の方との契約でした。

ご契約いただいた外国籍の入居者の生活は国際事業課のスタッフが窓口になり、
トラブルなく日本での生活を送れるようサポートしています。

こうした取り組みの結果、
空室撲滅プロジェクトの対象となっていた233戸の空室は全て解消することができ、
入居率もコロナ以前の水準まで戻すことができました。

ただ、これですべてがコロナ前の状況に戻ったわけではありません。

中央区や港区などの都心エリアの高額賃料帯の物件では、
空室が長期化する傾向が続いています。

こうした空室を1日でも早く解消するために、
繁忙期を問わず、入居希望者の申し込みを獲得し続けていくことが私たちの使命です。

この繁忙期に入居者をご紹介いただいた仲介会社には、
御礼をお伝えするとともに、繁忙期以降の入居者ニーズのヒアリングを徹底していく予定です。

ヒアリングしたニーズをいち早く取り込み、
市場環境の変化に対応できるような体制を整え、
1日でも早く空室を解消して、1日分でも多く日割り家賃をお届けできるよう、
4月以降もスタッフ一丸となって取り組んでまいります。

日本財託管理サービス　賃貸営業部賃貸コンシェルジュ
酒井　英雄（さかいひでお）

◆　スタッフプロフィール　◆
東京都品川区出身の43歳。
賃貸営業部にて入居者募集を行っています。
仲介会社様と関係強化のため日々電話連絡や訪問に力を入れています。

最近甥っ子が生まれました。
私にも息子がいますが、なぜか息子より私に似ています。